新之介文庫だより

2019年11月23日
近詠・句歌都々逸56

 

散歩道 宮の榊を 採り拝す

 

pay使い 明日のこれから 試すいざ

 

コンビニに 振込済ます 冬の昏れ

 

面影は 早かすれたり 秋三つ

 

月かかる 山の庵に 悟り観る

 

光悦の茶杓の銘の「初時雨」 自作茶入に添える楽しさ

 

「本阿弥」と茶入を銘に仕覆添え 点てて自服す外は時雨る

 

道半ば 既に遅しと 初時雨

 

初霜の 便りも溶ける 残暑かな

 

〽︎ 昔ゃギンギン みなぎる雄姿 今じゃ動かぬの 塩タラコ

 

〽︎ 昔ゃ目だけで 男を殺し 今じゃ祟り目 白内障

 

〽︎ 昔ゃ芍薬 歩けば百合よ 今じゃ巨大な 枯れススキ

 

〽︎ 昔ゃイナセで 女を泣かせ 今じゃ認知で また泣かす

 

〽︎ お前トドだな アンタはブタよ 三年経ったら この台詞

 

来てみれば あの日の別れ 池の鯉

 

枯れ蓮や 三年の冬の 月明り

 

そう言えば 歩く姿に思い出が また蘇る秋の 池の辺

 

設計や この日の証し 一里塚

 

天中に 満月ひとつ 誰に似る

 

満ち欠けは 人の情けか 手を伸べる

 

 


2019年11月23日