イベント情報

2019年11月15日
お米と日本、お米とわたし

新之介サロン 日野です。

大嘗祭をはじめとして令和への一連の儀式をテレビで拝見して、この厳かな歴史的瞬間を見ることができ日本人でよかったなぁと思う今日このごろです。
大嘗祭では、悠紀殿と主基殿という二つの祭場で、天皇がその年に収穫したお米をお供えし、神様と寝食を共にする儀式を行うそうです。
11月14~15日の皇室行事の大嘗祭「大嘗宮の儀」については、新之介さんも記事を書かれていますので、詳しくはこちらをご覧ください。

日本のすがた・かたち
「大嘗宮の儀」
http://www.wanococoro.org/words/4723

新之介さんの著書「伊勢神宮」の中では、日本文化を「古神道」、「日本仏教」、「皇室」の三つの大きな塊とし、そこに生活域でこの三塊を実践体験している、「茶の湯」を加えています。
大嘗祭の儀式や、お茶事の懐石料理や茶飯釜の茶事など、お米は日本文化と切っても切り離せないものがあります。

クラウドファンディングでできたドキュメンタリー映画「美味しいごはん」では、百年先の日本を守るために、今日美味しいごはんを食べようというメッセージが込められています。
私も田植えに参加させてもらい、映画の舞台となるお食事ゆにわさんのごはんをいただいて、「食べ方を変えれば生き方が変わる」と身をもって実感した一人です。
かつて忙しくて精神的に余裕がなかった時期は、ごはんに感謝するどころか、食べることすら面倒だなと思っていた時期もありました。
体調を崩してから、食べ物そして農業に興味を持つようになり、田んぼ塾ではお米の苗を作る所から収穫するまでとても手間のかかっていることだと実感したり、みんなで作業する楽しみも覚えました。

映画「美味しいごはん」は自主上映会というスタイルで、各地で有志による上映会が開催されており、最近ではイギリスなど海外でも上映会が開かれたそうです。
私は9月に静岡県では2回目となる浜松上映会に関わらせていただきました。

お米やお野菜など生産者の皆さんと朝市でお話したり、自然食品店やパン屋さん、レストランなどでは、お料理やおすすめのいただき方を教えてもらい、食材だけでなく、人や街にも興味や愛着が湧いてきて、顔が見える関係や繋がりを感じられることで心もすごく温まり、いただくごはんもよりおいしく感じるようになりました。
日本人として、特に主食のお米がいかに歴史的で自分自身にとっても大切なものだと改めて感じました。

大嘗祭の時期に、浜松上映会でも全国からお手伝いや応援してくれた方たちが各地でイベントを開催します。
日本人を根底から支え続けてきたお米。
その背景に込められた神話の時代から受け継がれてきた、深い”愛”と”祈り”を感じられる映画です。
お近くの方はぜひ足をお運びください。

 

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12/8(日) 岐阜上映会
※浜松上映会でも岐阜から駆けつけて手伝ってくれた後藤さんが主催です。
食べ方を変えることで生き方が変わる、僅か70分で人生を変える力がある映画です!
●申込・問合せ:岐阜上映会実行委員会
【申込】https://www.kokuchpro.com/event/gifu1208/
【メール】oishiigohangifu1208@gmail.com
【電話】090-2922-6577

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11/24(日)大阪府和泉市 弘法寺
※いつくしみ市(オーガニックマーケット)同時開催中!他にも色んな催し物やってます!
(英語字幕付き。 英訳がすごいらしいですよ!)
●申込・問合せ:いずみの国のいつくしみ市
【担 当】三輪雅美
【問い合わせ先】090-5905-8145
【申 込】https://kokucheese.com/event/index/580389/

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11/23(土) 北海道別海町 英語字幕付き
※150名入れます!
●申込・問合せ:ハチドリ しぺつの会
【申 込】https://www.kokuchpro.com/event/0141/
【メール】0141gohan.bekkai@gmail.com
【電 話】050-5372-4055

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その他の日程はコチラ
(映画公式サイト)
https://oishi-gohan.com/screen-information/

毎日の”美味しいごはん”で、少しずつでも日本中に幸せが広がりますように。
私も暖かくなったらぜひ地元で上映会を開催したいなと思っています。

新之介サロン 日野美奈子

2019年11月15日

2019年11月6日
茶杓のこと

「日本の建築とは何ですか」、とよくたずねられる。
「木の建築です」、と私はこたえる。

現在、我が国の建物は異国風のものが多いので、日本の建築と呼べるものが分からなくなってきている。また昨今は建築のみならず、衣食住のすべてにわたって日本固有のものが見えない時代になってきて、私は日本人なのか、と疑問に思うことすらある。
その中で我が国にある木の建築は、まぎれもなく日本の建築であると断言できるものだ。
縄文の時代から先人の英知を積み重ね、木と木造技術を受け継いできたものは木の建築以外にない。これは世界に類をみないものである。

その日本建築の粋が茶室である。茶室は日本文化そのものがつまっているといえる空間で、茶の湯の「茶事」を催すためだけに造られるステージである。

茶事には気象、宗教、建築、庭園、文芸、書、絵画、陶芸など美術工芸一般、料理、生花、服飾、音楽、礼法などの日本なるものが包含されている。つまり日本文化の塊りと言われる古神道、日本仏教、皇室のエッセンスが凝縮している儀礼・儀式といえるものだ。

茶なるものが日本に出てきて七百年。利休が大成して四百年。現在のような茶事のかたちができて二百年ともいわれるが、茶の湯のステージである「茶室」を知ることは、我が国固有の文化の大半を知ることにもつながる。こんなにも深遠で素晴らしい建築は他にはない。私は日本の誇りのひとつがここにあると思っている。

その茶室で一会の茶事が催される。

茶会で道具の第一は「床掛物」と利休は言った。これに、この約束に異論をはさむ余地はないが、しかし秘かにではあるが、私は異論をとなえるものだ。私の道具の第一は「茶杓」だと。茶事中の茶杓ほど、一会を語るものはないと。

成るほど床掛物は茶事の精神の柱である。禅僧、茶匠の書が掛かれば、亭主の意図する茶事が構成できるのは必定だ。だがこの日の茶事のために削った茶杓には、自分の秘めたストーリーが濃厚に漂う。その一会でしか伝えることのできない想いが詰まっている。

茶杓を削る面白さを知ってから私の茶事は変わった。現在まで百数十回、茶事ほど面白いものはない、と思うようになった。茶杓はただの道具にととまらず、客と一会を語る時の、最も頼りになる伴侶だと思っている。—

 

一文は、出版の準備をしている『茶杓秘話』の巻頭文です。
今週から、2020年の如月に席中でご飯を炊く「茶飯釜の茶事」の準備を始めました。
今、あれこれと思いを巡らせ、竹を選び、削る楽しみがまた・・・。

 

写真:茶杓 銘「不二の峯」自作(銀座松屋チャリティー作品展出品作)

 

 

 

 

2019年11月6日

2019年9月18日
陶土来たり

夜の帳が降りる頃、家に戻ると門の前に何やら荷物が。
焼物用の土なので、直ぐにメールを見ると、陶芸家の佐々木さんが持って来てそのまま帰られたとのことでした。
お礼のメールを送った後、

(今回は初めての唐津の土も、楽しみだなぁ…)。
独り言をいいながら、頭の中は既に作陶モードに入っていました。

年末の窯焚きに間に合うよう11月の末までに作っておかなくてはと、今日は仕事の傍ら2月の「茶飯釜の茶事」に使う道具の選定作業も始めました。
土は私を焼物づくりに誘います。

佐々木泰男さんは年末の窯を焚き、来年1月25日から2月2日まで富士宮の「ギャラリーWAZO」で個展を催すことになっています。私は佐々木さんの新作が楽しみで、行ってみたいと思っています。

三十の歳から本格的に始めた陶芸も早40数年。この面白さは本人にしか分からないのではないかと思います。
私の場合は、専ら自前の茶事に使うために作り、茶杓や他の道具とともに自作の展示会的な様相を呈すため、周りからは自画自賛が強すぎるのでは、と顰蹙をかっています。
そんなことは馬耳東風で、褒めて頂いた方にはそれを謹呈することにしていて、茶事の中でこのやり取りの面白いことといったら,他にないようです。

前の2度の窯で出来た茶入に象牙の蓋を添え、これから仕覆を付け、桐箱を作ります。
夫々に銘を付け、また茶事に使い、後は褒め方の良い方に差し上げるという繰り返しとなります。まあ、頂いてくれる方がいる内が花だと思います。
いずれ世に出て「樵隠庵作の名品」とうたわれることになるかとの淡い期待も、です。

 

 

 

上  茶入「焼しめ萩肩衝」2019作
上中 茶入「丹波撫で形」2019作
下中 茶入「志野肩衝」2018年作
下  茶入「黒泥肩衝」2018年

 

 

         

        楽しみは茶事の道具を創りして 親しき人を招くその朝

 

 

 

2019年9月18日

2019年8月31日
UTAKAライブ情報♪
新之介サロン 日野です。
以前、太田先生の「水晶殿ヒストリー」講演会にもご参加いただいたUTAKAのYoshieさん。
即興でのお願いにもかかわらず、清流ボイスで会場の水晶殿がより清らかな空間になったようで感動のひとときでした。
UTAKAは、生命の尊さ、美しさ、地球への感謝をうたい奏でるYoshieさんと、
パーカッションやシンセ等を通じ独自の音を生み出すWataruさんのユニットです。

今週末は、浜松でライブがあるそうです!

 

9・1(日) ひびきの森
~ 精霊の歌声と水晶の響き~  Live in Bejita
会場  玄米菜食カフェ Bejita
静岡県浜松市中区富塚町578-4
出演   UTAKA・杉本 直之
開場   17:30    開演   18:30
料金   2000円 (予約)   2500円 (当日)
+要1オーダー
問い合わせ   tel 053-475-0663 (bejita)
詳細はこちら↓
https://www.facebook.com/events/394091317883652/
会場の玄米菜食カフェ Bejita(ビジタ)さんは
自然な食べ物が健康なからだをつくるという考えのもと、
地元の旬の無農薬、有機野菜をたくさん取り入れたり、
きちんと発酵された調味料を使われている素敵なお店です。

美味しいごはんと素敵な音楽、一緒に楽しみませんか?

 

(以下、イベントページより抜粋)
・UTAKA+杉本直之「ひびきの森」
Yoshie : Vo,Gitalele,Native american flute,Percussion
Wataru : Synth,Percussion
杉本 直之 : Crystal bowl,Guitar
天使のようなハイトーンボイスに
あたたかなアコースティックアレンジ
そして様々な天然石を添加した
クリスタルボウルの雄大な
倍音のハーモニーで
いのち溢れる新緑の風を感じ
癒しの天上界へといざないます。
生命の尊さ・美しさ・地球への
感謝を歌い奏でるYoshie
シンセやパーカッションで
奥行きのある音空間を生み出すWataru
の二人によるユニット「UTAKA」と
クリスタルボウル奏者の「杉本直之」の
3人によるコラボレーション・コンサートです♪

 

ディナーコンサート ひびきの森
~ 精霊の歌声と水晶の響き ~
UTAKA*杉本直之 Live in HERB BARN

日時  9月8日 (日)
会場  海辺の自家製ベーグル&カフェ HERB BARN
静岡県榛原郡吉田町住吉5436-113
開場  18:00   開演   19:00
料金  予約 3500円   当日 4000円
お食事付きの金額となります。(定員25名)
問い合わせ  tel 0548-33-9380 (HERB BARN)
詳細はこちら↓
https://www.facebook.com/events/383480939006936/
2019年8月31日

2019年8月12日
食べ方を変えれば、生き方が変わる「美味しいごはん」映画上映会

新之介サロン 日野です。

「食べ方を変えれば、生き方が変わる」

初めて聞いたときは、ドキッとしました。
私はかつて仕事が忙しいときは、夜ごはんにカップラーメン、チョコレートなど食べながらパソコンに向かって作業する日々を送っていました。
今日は笑ったっけ?そもそも隣の席の人と会話しなかったかも。。。
若い頃は、ストレスが溜まっても体力はあったので何とかなってはいましたが、
あるとき顔中がお岩さんのように肌荒れを起こして外出したくなくなったり、
手に湿疹ができて痛いし痒いしなかなか眠れない状況になってしまいました。

でもそれがきっかけで薬に頼るのではなく、生活を根本から改めようと決意しました。

調味料や食材を変えてみたり、いろいろな本を読んだり勉強会に行ってみたり、、、
知れば知るほど、食事のときにこれは大丈夫かな??とか自然栽培のものしか食べたくない!とか
かえってストレスや不安が増えた気がしていました。

そして、農業にも興味を持ち始めて自然栽培の田んぼ塾に通って、お米作りって本当に大変な作業だと実感しました。
でも一人では大変なことでもお祭りのようにみんなでワイワイやると楽しかったのです。

そんなときに出会ったのが、大阪にある御食事ゆにわのいのちのごはんでした。
初めて「いのちのごはん」をいただいたときの感動は今でも忘れられません。

今まで、目の前の食材やごはんから「ひかり」を感じるとは考えたこともありませんでした。

ごはんだけでなく、モノや人、お茶との向き合い方も同じだということも教えてもらいました。
むしろ頭で考えるというより、感覚を全身で感じることが大事だなって思います。


そんな「日本人の食を守りたい」という思いに共感したメンバーが集まり、クラウドファンディングで映画「美味しいごはん」ができました。

日本人を根底から支え続けてきたお米。
その背景に込められた神話の時代から受け継がれてきた
深い”愛”と”祈り”を感じられる映画です。

この映画に込められたメッセージ
「百年先の日本を守るために
今日、美味しいごはんを食べよう」
まさに「日本のすがた・かたち」に通じるものがあるのではないでしょうか。

現在は、全国で自主上映の輪が広がっています。

【上映会情報(一部)】

8/18(日)愛知県名古屋市
※主演の御食事ゆにわ・ちこ店長のトークショーもあるスペシャルな上映会です!
お席の確保はお早めに!
https://www.facebook.com/events/651097152004371/?ti=cl
申込み先
https://eventon.jp/16837/

9/7(土)群馬県富岡市
※群馬県で初開催です!
https://oishi-gohan.com/scree…/2019-9-7-gunmakenn-tomiokasi/

9/21(土)香川県高松市
※主演ちこさんトークショー付き!
https://oishi-gohan.com/screen-i…/2019-9-21-kagawa-takamatu/

9/29(日) 静岡県浜松市
※この映画で人生が変わったという主催者さんの熱意に共感して、私も一緒に盛り上げます!
https://oishi-gohan.com/screen-…/2019-9-29-sizuoka-hamamatu/

その他、全国の開催状況はこちら
https://oishi-gohan.com/screen-information/

一人でも多くの人の心がひかりで満たされるようなご縁がつながりますように。

新之介サロン 日野美奈子

 

 

2019年8月12日

2019年7月24日
旧小松宮別邸・「桜御殿」

数か月前、箱根の強羅で名建築について講演をした折、「三島市にある楽寿館という建物をご存知ですか?」と質問しました。
参加者は誰一人として知らず、「では楽寿園は?」と問うと、2割ほどの方が手を挙げられましたが、後で「楽寿館は老人施設ですか?」と尋ねられました。

このやり取りを三島市の文化行政担当の人たちに話しました。
相当ショックを受けたようでした。

 

楽寿園は明治23年~25年にかけて造営された、小松宮彰仁親王(伏見宮邦家親王第8王子)別邸の庭園で、楽寿館はその中に建てられた殿下の謁見の間だった「楽寿之間」を持つ主殿でした。

昭和27年(1952)所有者の緒明氏より三島市が買収し、三島市立公園となりました。この折、市民から名称応募して「楽寿園」、「楽寿館」と名付けられました。昭和27年7月14日(1952)「楽寿園」は開園され、昭和29年3月20日(1954)「天然記念物・名勝楽寿園」として国指定となっています。

数日前、庭園の一角にある小松宮殿下の寝所だった「桜御殿」が国の登録有形文化財の答申を受け、報道発表されました。既に登録されている隣接している「梅御殿」と共に、私が調査し所見を書いた建物です。
今回の申請報告書の表題は、今までのような「楽寿園・梅御殿」という名称ではなく、〈小松宮別邸「桜御殿」〉としました。所有者の緒明氏、市県当局に諮っての名称でした。

そして登録申請業務の後、市当局者に「楽寿館」の名称変更についてお願いしました。
教育長や市長とも面談して、「楽寿館」を「小松宮別邸」にされたら如何か、と進言しました。
楽寿園の桜御殿より、小松宮別邸の桜御殿の方が名称として相応しいのでは、という内容でした。

 

我が国は、来年のオリンピックに向けて、法整備をし、観光資源の開発に力を入れ、文化財や美術館の観光資源化を進めています。
三島市では昨年、「箱根八里」が函南町、箱根町や小田原市と共に「日本遺産」に登録され、また国の認定による歴史まちづくり法(略:歴まち法)の指定も受けました。これを契機に市の魅力を発信して行こうと意気込んでいるようです、が…。

現代社会においてネーミングの大事さは論を待たないところです。
名称ひとつで歴史や文化ばかりか、その香りされも彷彿とさせるものです。
「楽寿館」は老人介護施設のイメージ。「小松宮別邸」は宮家の歴史のイメージ。
さあ、市当局はどうされますか…。

 

今回、国の登録有形文化財〈旧小松宮別邸・「桜御殿」〉として答申されました。文化庁では「旧」を付けて、とのことでした。11月に官報に載ることになっています。

 

写真:旧小松宮別邸「桜御殿」2階南面

 

 

2019年7月24日

2019年6月24日
夜なべ

「かあさんが夜なべをして手袋あんでくれた…」。
懐かしい童謡です。

私も何時の頃からか夜なべをするようになり、深更に及ぶこともあります。
先日、古帛紗作りに専念しました。
折々、焼物や茶道具類など、必要に応じて色々なものを作りますが、この度は裂地を用いての裁縫でした。
裁縫は意外と上手で(自画自賛)子供のころから得意でした。細工物でも布物が好きなのは、布のデザインや文様に託されたメッセージに惹かれるところがあるからだと思います。
また、幼少期に玩具という代物がなく、何でも自分たちで作って遊んでいたことが、生涯にわたり役立っていることを実感します。

 

我が国の名物ものといわれる裂地には長い歴史と物語があり、金襴、緞子、錦などの絹物から綿、麻、芭蕉布まで、織物の奥行と幅を感じさせる工芸品は世界に誇るものになっています。
それに加え、私の好みは世界各国に作られている織物で、とりわけ東南アジアやインドの更紗です。その国の更紗には民族の香りが織り込まれていて、気候風土や歴史による違いを生きてきた人たちの匂いを感じます。

 

建築も同じことで、建築を知るには、その国の風土や歴史を下地にして、人々がどのように生活して来たのか、これに学ぶことが必要です。
「茶事を知らずして茶室は設計できない」、というように、いくらデータを形にすることに長けていても血の通った建築を造ることができません。裂地を知ることは建築を知ることに通じる・・・。

 

古帛紗は何年か使った後で茶入の仕覆に転用できます。
これは結構楽しいことで、自分の好みの育成に力を発揮します。

私は気に留まると、人の着ているものから、古着まで転用を考えますが、今回は真新しいインド製のエプロンを解体加工し、古帛紗に仕立てました。私自身が茶事で使うものと、親しい人たちに贈るためのものです。縁あって、お茶を始めた女子高生たちに贈呈したら喜ばれました。

千家十職の袋物師ではありませんが、夜なべジジイも乙なものです。

「ジイさんは夜なべして古帛紗作ってくれた…」。

 

今まで作った古帛紗およそ90枚。

この独り遊びは止められそうにありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月24日

2019年6月23日
ウメボシジジイ-2

六月の初めになると梅を買いに出かけます。
大分前から梅は紀州みなべ産の「南高梅」と決めていて、今年も例年より10キロ少ない30キロにしました。
梅干作りを始めてかれこれ40年ほどになり、多い年は90キロも漬けましたが、何時の間にか三分の一になりました。

私の梅干作りは、35年前、あるお婆さんから製法を伝授されたことからハマり、以来その秘伝を踏襲し、今日に至っています。

1. 肉の厚い梅を選び、色が黄色になるまで追熟させる。
2. 水洗いをして、水分を拭きとる。
3. 15キロ位を樽に入れ、塩(8%)、焼酎(適量)米酢(適量)で漬け込む。
4. 落し蓋をし、重石は梅と同じ程度の重量のものを載せる。
5. 3~5日して梅干が隠れるくらい梅酢が上がってきたら重石の量を半分以下に減らす。
6. 塩もみをした赤紫蘇を入れ、漬け始めて1ヶ月程度が経った梅雨明け頃に、晴天が4日間続きそうな日を選んで干す。
7. 一粒一粒陽にあて、タコ焼きのようにひっくり返す。この時、梅酢も日光に当て、熱い状態にする。
8. 天日で1日干したら、夜は梅酢の中に戻す。これを3日繰り返す。
9. 4日目で干し上がりの状態を確認して、甕に紫蘇と共に保存する。

 

このような工程で作りますが、何しろ塩分が少ないためカビが発生する可能性が大で、これを防ぐのに焼酎や酢の助けを借りることになります。

三ヶ月ほどしてから食べますが、この時は先人の生活の知恵に感謝し、有難く頂きます。
そして出来上がりを待っている方たちにお裾分けし、梅干の効用に一年間浴することになります。

今年も漬けながら、子どもの頃、父親の梅干作りの姿を思い出していました。
人間幾つになっても、幼い頃の記憶は季節と共に、香りと共に甦るものです。

多分、今年も絶品の「しんのすけ・梅干」が出来るのではないかと。

               「別名は…」
     誰が呼ぶのかウメボシジジイ ニンマリ笑って「ン〜、」オチョボ口

 

 

 

2019年6月23日

2019年5月15日
仕上は上機嫌!

5月11日に陶芸家佐々木泰男さんの窯から作品を出す作業があり、お手伝いに行ってきました。

11名の人たちが窯出しをし、後始末と次回に向けた準備をしました。

私は専ら出てきた作品を出てきた順に並べる係りで、まだ温かい焼物に付いている目土などをとり、並べて行きます。

並べる順序は、窯の前から後ろにかけての位置関係で、焼き具合が違い、作品の出来不出来に関係がしてくるため、次回の窯詰めの参考となります。
長さ5メートルほどの窯の中で、焼け具合がこうも違うものかと、何度焚いてもひとつと同じものはありません。火の洗礼を受ける土の定めということだと思います。

ところが、その火の洗礼が思わぬ優品を生む結果となります。

今回、私作の茶道具類は思いがけなく、皆快作で、顔には出しませんでしたが内心ニタニタ独り悦に入っていました。

引出し丹波、丹波、萩のいずれの作品も次回の茶事に使えるものばかりで、嬉しい限りでした。

 

焼締め物はそのまま使えず、ザラザラやトゲトゲを擦り、使い易くするための仕上作業が必須です。
昨日は半日、仕事を調整して仕上作業に勤しみました。

いずれも満足の行くもので、早速、桐箱を注文し、銘も付けることにしました。

今年の秋の茶事にどのように出演させようか、今から楽しみです。
お蔭様で全身筋肉痛ですが、当分は眺め、触り、使いの愛でる日が続きそうです。

佐々木さん、市川さん、皆さん有難うございました。

 

写真:引出し丹波茶碗 自作

 

 

 

 

2019年5月15日

2019年5月5日
佐々木流「引出し黒」

昨夜11時、また陶友市川武さんからメールが入りました。
大雨のため窯焚きは1日半延びるとのこと。連夜ご苦労様です。

また、佐々木流「引出し黒」が何点か出来たとのこと。
窯焚きの最中に作品を取り出し、急冷させると色艶の良い作品が出来ます。この手法を引出しといいますが、通常は釉薬をかけたもので行います。

佐々木さんは丹波の焼締めものを引出していて、これは私が知る限り、佐々木さんが初めて試みたものと思います。
今回も優品が出来たとのこと。嬉しい限りです。

今秋に催す茶事に想いを馳せながら、1週間後の窯出しを楽しみにしています。

焼物は、土が形となり火の洗礼を受ける深遠な儀式。令和の初窯焚きは今日了ります。

今朝、佐々木さんから火を止めたとの知らせがありました。
皆さんお疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年5月5日