イベント情報

2017年8月14日
続・引出し‐中継

昨夜遅く、陶芸家の佐々木泰男さんからメール画像が送られてきました。

私の黒泥茶碗を窯から引き出し、冷水に浸けた後の状態でした。
画像で見る限り、楽茶碗や引出し黒のような艶があり、申し分ない出来のようです。

見た途端、「今度の茶事にはこれを使おうか」、「銘は何にしようか」などと早くも妄想が広がっています。

私の作陶は、ひたすら茶事に使うもので、都度招く客のために作り、縁があれば謹呈するというものです。
この後、十数点窯から出てくるのが楽しみです。

でも、私は多用に過ぎて窯焚きを手伝えず、連日連夜焚いて頂いている佐々木さんやお仲間の方たちには大変申し訳なく思っているところです。

薪で焚く窯は大勢の人の協力と時間を要します。そのエネルギーが全て作品となってくるのが作陶の魅力でもあります。ガスや電気ではないところがまた燃えるところです。

佐々木さんの作品はまた追って紹介したいと思います。

 

写真:自作「引出し黒泥茶碗」

 

 

 

 

 

 

2017年8月14日

2017年8月12日
引出し‐実況中継

窯から第一作目が引出されました。
陶芸家佐々木泰男作品の真骨頂ともいえる「引出し丹波茶碗」です。

今朝の引出し作業の様子を、市川武さんが知らせてくれました。
今回の窯に入れた作品の中で、私が最も注目しているのが引出し物です。
丹波の引出し茶碗は、茶味に適う雰囲気を持っていて、折々の茶事に出しています。

私の知る限り、現代の陶芸家で丹波の引出し物を作る人はいません。

窯出しの20日まで未だ8日あります。
幾つの引出し物が出るのか、それも楽しみです。

10月の個展の主役になるのでは、と秘かに思っています。

 

 

 

 

2017年8月12日

2017年8月7日
いよいよ窯焚き

富士宮市芝川にある佐々木泰男さんの窯にいよいよ火が入ります。

寡黙な陶芸家は10月6日から修善寺「柳生の庄」で個展を開きます。

今回はそれに向けて焼く渾身の窯です。

彼の作陶技術は高度で、何度となく工芸展に入賞しています。

茶陶を目指している姿は、新たな可能性に挑戦する姿に他なりません。

今日まで窯詰めで8日から下燃し、10日から本焚きとなります。

私の茶道具類も入れて頂いています。

20日の窯出しが楽しみです。

またご案内します。

 

写真:黙々と窯詰め作業をする佐々木さん

 

 

2017年8月7日

2017年8月1日
耕心茶会

「太田さん、貴方は創造して行くことが仕事です。何時も心の田んぼを耕し、世の中のお役に立つよう生きて行って下さい。」
太田洞水(とうすい)老師はそういって一枚の書を渡してくれました。
一年半通った坐禅会を仕事の都合で辞めることになり、お別れの挨拶に行った折のことでした。

半切に書かれた書は「唯耕心田(ただしんでんをたがやす)」。
一心に心の田んぼを耕せ、終生自分を磨いて行け、というものでした。
以来、私はこの一言を頼りにして建築の設計に勤めてきたように思います。
現在に至ってもこの境涯に変わることはありません。

先日、洞水老師が書かれた、同じ「耕心田(しんでんをたがやす)」を掛けて、秋にお茶会をしたいと友人の柴山崇志さんが掛軸を携えやってきました。
彼は修善寺の旅館「柳生の庄」の調理長で、この度の試みは旅館のためだけにとどまらず、茶の湯の文化を発信するに相応しい催しと思い、できることがあれば、と協力することになりました。
私にとっては老師と毎年会える楽しみが増えるというものです。

「耕心茶会」は10月9日(月)体育の日です。
老師の法を継いだ修善寺の吉野真常老師が参席し、併催で陶芸家の佐々木泰男さんの陶芸展、シンガーソングライターのきどよしえさんのライブもあります。

40年前、仕事の悩みから始めた坐禅が、老師との出会いを創り、私を禅の世界に導き、それが禅宗寺院や宗教建築の仕事に縁を結び、そして茶の湯へと誘われた…。

人生に妙味があるとすれば、それは邂逅に他ならないようです。

邂逅は人生の最大事です。

 

 

2017年8月1日

2017年7月10日
八島ヶ原茶会

7月末に、長野県のほぼ真ん中に位置する八島ヶ原湿原(やしまがはらしつげん)で茶会をします。

20名ほどが湿原に咲き乱れる茶花を愛で、茶籠で一服という趣向です。
私はゲストで2回目の参加です。

三島では近くに箱根仙石原湿原があり、多くの茶花を楽しめますが、八島ヶ原湿原は1万2千年前に誕生して日本の南限にある稀な高層湿原で、広さは43.2ha、形成する泥炭層の厚さは約8.05mという国の天然記念物に指定された別格の地です。

湿原の木道を歩きながら夏の涼風に身を任せて花々を愛で、皆で茶一服とは何とも風流の一語に尽きます。

当日活躍する茶籠は、私が20年ほど前にタイへ渡航し、チェンマイからミャンマーとの国境近くにある山岳民族の村へ行った折に、村人が使っていた弁当籠を譲り受け、帰ってきてから漆を塗り重ね、紐を付け、内側にインドネシアの印金更紗(カインプラダ)を貼ったものです。

この籠は、第50次南極越冬隊員の村上祐資君により昭和基地での茶会に活躍し、2010年8月にガールスカウトの活動で、浅井真美さんがイギリスリーズにあるヘアウッドハウスという伯爵家の庭での茶会に臨み、活躍をした折のものです。

その後も旅の供となり、旅行に出かける毎に連れて行っています。

私にとっては思い出と由緒あるこの籠に、折々の茶道具を仕組み一会を楽しめることを有難く思い、今更のように茶の湯の深遠さに思いを馳せています。

八島ヶ原茶会では茶友の鈴木久美さんの点前で一服です。

さて、茶花は何としようか…と。

 

 

前回、近くの旧御射山(みさやま)神社に寄りて詠む

    御射山に集うもののふ夢の跡千年の時我に流れる

 

 

2017年7月10日

2017年7月1日
東山荘・みがき隊

 

国の登録有形文化財となった熱海「東山荘(とうざんそう)」を皆で磨こうということになり、先月有志10名で表門周りをみがきました。

私は講師として参加しましたが、参加した方たちが磨き上げたことによる快感からか、またみがこうということになりました。

文化財建築の手入れはなかなか難しく、どこの所有者も手を焼いているものですが、私はお役にたてそうな経験を活かし、機会されあればみがきのお手伝いをしています。

どこの市町村でも文化財の活用と保全を目標とする昨今、みがきと手入れをする観点から保全活用できることを説いているところです。

 

先日東山荘・みがき隊の及川博文隊長が地元熱海市の斎藤市長と面談したおり、市の将来にとって大切なことだとして、今回市長自らが参加されることになりました。

みがき隊は有志の集まりですが、これから誰でもが参加できる催しとなりそうです。

 

美しい文化財を磨くことは自分を美しく磨くこと。
「MI・GA・KI」とは「美・我・輝」のことで、「我れ美しく輝く」と説明しています。

「我れ美しく輝きたい」は「みがき隊」のこと。
身も心も清々しくなる一日を皆さんと共に過ごせそうです。

 

私の願いは、日本文化の粋である木の建築を、後の世でも活用できるように、百年も、三百年も、ということです。

 

第2回目は7月6日となります。

斎藤市長と及川隊長のエプロン姿も乙なものです。

 

 

2017年7月1日

2017年6月10日
秋のユニークなお茶会

 

10月9日(火)の祝日に企画されている伊豆修善寺の旅館「柳生の庄」の茶会はユニークな催しのようです。

この期間に併催されるのが、陶芸家佐々木康男さんの「炎の心展」とシンガソングライターでエッセンス作家のきどよしえさんのライブとエッセンス展。

佐々木さんは陶芸家の深化を問う個展を前回に続き行い、よしえさんは併設で花と話しながら独自に創作したエッセンスやクリームなどをお披露目するそうです。

 

 

また柳生の庄での茶会の席で聴く人を清々しい世界に誘う「清流ボイス」を披露すると聞きました。

またご案内しますが、私も清らかな歌声を楽しみにしているひとりです。

 

写真:歌うきどよしえさん

 

 

2017年6月10日

2017年6月1日
和やかなお茶事

新之介サロン 日野です。

先日、新之介先生のご自宅での建午のお茶事にお招きいただきました。

露地の緑が瑞々しく、爽やかな風が心地よく、五感と心が満たされるひとときでした。

お話では聞いていたステンドグラスの水差しは、鏡にうつる光と水にうっとりするほどの美しさ。
静寂の中で、お湯の沸くお釜の音。
お椀のふたを開けたときの湯気とともにたちのぼる香り。
おいしいお料理の数々、お酒をいただいた後のお茶がまた格別ということも初めて知りました
どれも貴重なお茶碗を触らせていただいたときに感じた重さや手触り。

特に、薄茶のときにアバンギャルドのお茶碗が運ばれてきたときには、一同あっと驚きました。

高温の窯の中でくっついてしまったという2つで1つのあのお茶碗でした。
「用と美」の最先端のお茶碗で新しいお点前を開発すればいいんだ、というお話は聞いていましたが、まさにその瞬間に立ち会えるとは! 驚きと喜びでした。

新之介先生は、アバンギャルドとは伝統に新しい工夫を重ねて行く所業だと言います。

お茶事のお席でのお話でも、「伝統とは古いものではないんだよ、積み重ねの連続だから。」
その言葉が印象に残りました。

琵琶床にあった400年前の法隆寺の古材は豊臣秀頼が寄進したものとのことで、先生の坐禅の師太田洞水老師様よりいただいたもの。中がくりぬかれていたので老師様が書き損じの書を入れていたそうです。そこから書をいただいていく人もいらしたのだそう。

それを眺めるたびに先人たちの仕事ぶりに思いをはせ、建築家としての拠り所にされているとうれしそうにお話されていました。

また、香合を拝見したときには、一同UFOのような形に、
これは元は何だったんだろうね? 周りに穴があいているからもしかして釘隠し??
クイズを解いているような感覚になりました。

何と1250年前の唐招提寺創建時の門の釘隠しで、木の加工には一流の技術がないと蓋をぴったり合わせることが難しいのだそう。

その他、茶杓を削ったとき、花入れやお茶入れを作ったときのお話、銘の由来。
お話を伺うにつれ、新しいものと古いもの、時空が融合されたような空間に酔いしれました。

最後に、待合に掛けられていたのは、巨大なスパナ??
最初に待合に入り、まず一同びっくりしてクイズのようになっていたもの、
それは水晶殿の改修工事の際の古材を活用したものだったとのこと。
一同手にもたせていただき、ずっしりくる重さと金属の香りを感じました。

このスパナで建築家としての箍を締めているのだそうです。

「名残を留める」、「手に得て心に応ず」。
普段よく新之介先生がおっしゃっていることは、正にこういうことなのか、と実感しました。

そして、床にかけられていたお軸は高僧の、
「応無所住而生其心」(おうむしょじゅうにしょうごしん)。
とらわれない心、人生を軽妙に生きるという語意とのこと。
手書きのポストカードをお土産にいただきました。

読み方を変えた 「大麦小麦二升五合」がどうしても耳に残りすぎて、なかなか覚えられませんが
早速飾って座右の銘にしたいと思います。

お心づくしのおもてなしと、空間に漂う「一座建立」の気に、ありがたく和やかなひとときでした。

今回のお茶事には、お正客の柴山崇志さん、陶芸家の佐々木泰男さん、歌手のきどよしえさんともご一緒させていただきました。
この秋には、お三方がコラボする大きなお茶会の企画が進行中です。
こちらもみなさんに喜んでいただけるような会になるよう、一致団結して盛り上げていければと思います。

 

写真:「樵隠庵」露地と寄付待合

2017年6月1日

2017年5月19日
木の建築みがき隊

IMG_2244.JPG静岡県にある名建築の手入れをしようと「木の建築みがき隊」が組織されたのが二十数年前のことでした。

 

伊豆修善寺にある新井旅館登録文化財群を皮切りに、沼津俱楽部、佐野美術館隆泉苑、三島市内の登録文化財、三島大社茶室、楽寿園文化財群、箱根神仙郷名蹟建築群などを磨き、しばらくの休みを経て再編され、先日、熱海市にある登録文化財「東山荘(とうざんそう)」(2016年度登録)を磨きました。

 

我が国には世界に類をみない優れた木造建築が数多くあり、世界遺産となっているものが少なくありません。木造建築は、国土の気候風土が生んだ森林国特有の文化資源といえといえますが、その築造技術は世界に類の少ないもので寺院、神社、城郭、民家、町家など、どれをとっても文化財の中核を成し、先人の生活様式のみならず精神の在り様にまで遡ることができるものです。

 

私はある時これらの文化財から学ぶことが多いことに気付き、名建築を師匠として設計のお手本とすることを実践してきました。温故知新の意味を教えられたのです。

 

漸くその内容が把握できるようになった頃、これら先人の遺徳を守るにはどうしたらいいかと考えるようになりました。それが「磨き、手入れをする」ことに繋がりました。

40代に本格的な社寺や茶室の設計監理に従事したことから、木の素材を知り、先達から木材や漆物と共に古建築の手入れの仕方の指導を受けたことが始まりでしたが、やがて磨き、手入れをすることで優れた建築の保存に役立つことに気付き、以来ご縁のある建物を皆さんと一緒に磨いてきたという訳です。

 

熱海「東山荘」は昭和8年に建てられた別荘建築で、正門、本館、別館から物置まで当時の最高レベルの仕事で造られ、相模湾に浮かぶ初島を望む絶景の位置にあります。熱海市内にもこの一群の木造建築が遺っていることはなく、国の文化財に相応しい貴重なものです。

 

先日、この東山荘を10人の若者たちと磨いてきました。

磨き終わり、皆で背骨を伸ばしながら部屋の天井を眺めた快感は久し振りでした。

 

掃除をすると気持ちが良いものですが、貴重な文化財を磨き手入れをすることはまた格別で、先人の遺徳が醸し出す品の良い美しさに触れたことも刺激となり、また次もみがき隊出動しよう!と皆で決めたようです。

 

私の手入れ経験が、次世代を担う若者たちのお役に立つ嬉しい一日でした。

 

写真:東山荘正門のみがき方説明風景

 

 

2017年5月19日

2017年5月7日
エッセンス「よろこびの雫」

IMG_2522.JPG

 

「花とお話をしながら作りました」

 シンガーソングライターのきどよしえ(旧一江うたか)さんから便りが届きました。

 よしえさんの作る花のエッセンスとシロップは、爽やかで品の良い香りで、私も気に入っています。

 

「清流ボイス」の歌声もさることながら作られるエッセンス「よろこびの雫」も彼女ならではのもので、多くのフアンがいることも頷けます。

 

FullSizeRender-3.jpg今年の10月に修善寺温泉「柳生の庄」でユニークな茶会が催されることになりました。内容を伺うと、話題になる茶会となると思われます。

 茶会と併催される企画のひとつが陶芸家の佐々木泰男さんの個展、それに彼女の歌とエッセンスがお披露目される予定です。

 

IMG_2924.JPG地元修善寺町や茶道関係者、佐々木さん、よしえさんの仲間の皆さんが協力して、イベントを盛り上げる準備に入ったとのことです。

 私も陶芸でお世話になっている佐々木さんのことであり、またよしえさんの歌に魅了されているひとりとしてできる限りの協力をしたいと思っています。

 

近くチラシなどのご案内ができるとのこと。

錦秋の修善寺に是非お出かけ頂けるよう、またお知らせします。

 

写真:撮影 きどよしえ

 

 

 

2017年5月7日