新之介文庫だより

2014年9月1日
主婦の方から

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新之介文庫の佐々木です。

『伊勢神宮』の発刊から2ヶ月近く経ちます。

お蔭様でいろいろな方からご購読いただき、嬉しい限りです。

本は僅かな書店の店頭にでているだけで、現在はこのHPメールからの申し込みとなっております。

ご要望もあり、現在、9月末に電子出版ができるように企画を進めています。

またお知らせいたします。

 

読者の方から感想文を頂きました。

富士市にお住まいの草ヶ谷ゆかりさんという主婦の方です。

草ヶ谷さん有難うございます。

 

まだ感想文を何通もいただいていますので、順次掲載させていただきます。

 

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     『伊勢神宮』を読んで         草ヶ谷ゆかり

 

末永く読み継がれていく史書にふさわしいチャコールグレーの装丁には、独特の重厚感が漂っている。だが、ひとたびそれを手にした瞬間、吸い付くかのようなソフトな感触に包まれた。不思議なその感触を味わいつつ、あらためて『伊勢神宮』を眺めてみると、凛とした、高そうに見える敷居ではあっても、万人を受け入れようする、なにか不思議な親しみやすさが感じられた。

タイトル『伊勢神宮』の文字を見ると、「神」の文字色だけが違っている。帯文中の「荒祭宮」と同じ紫であらわされているのだ。このさりげないデザインの中にも、著者の豊かなインスピレーションの片鱗を見る思いがして、これから読み進める本書の内容にいっそう期待を膨らませてくれる。

 

自らの不勉強さを露呈してしまえば、本書を拝読するまで、「神宮の原形を明示したものはない」という事実を知らずにいた。パワースポットとしてあまりにも有名な伊勢神宮ゆえ、ガイドブックを読んだり、実際に足を運んだこともあったが、その奥深い部分についてはまったく知る由もなく、つまり、遷宮を繰り返し、古よりその姿を違うことなく伝えてきたものこそ伊勢神宮だと疑う余地もなく認識していたのだ。くわえて、学校で習った「古事記」「日本書紀」こそが日本の原点を明らかにした書物だと思い続けてもいた。

 

本書は、原始の神宮を解明すべく、数多くの書籍・資料をもとに、緻密かつ大胆にその謎に迫っていくという内容になっているのだが、なかでも「飛騨の口碑」はじつに興味深い。というより、仰天した。もし「飛騨の口碑」の伝える話が本当だとしたら、日本の歴史は根底から一変してしまうのだから、歴史の時間に習ったことはなんだったのか! と、徒党を組んで声をあげたくなるほどの、ともあれ、これはかなりセンセーショナルなことである。

 

そのため、本来のテーマは「建築」に関する書籍であるにもかかわらず、定説を超えた「史書」としての考察も鋭く、「建築」と「歴史」の2大テーマが見事に融合した緻密な歴史ミステリー小説のようでもある。誰がどのテーマから入っていっても、おそらく興味は尽きないものと思われる。

 

それにしても、まさに一生涯をかけた渾身の作と思いきや、『伊勢神宮』以外にも、過去に数々の書籍があったことを著者主宰のホームページで知り驚愕。これほどの超大作に取り組みながらも、旺盛なる創作活動を続けてこられたことに心底驚かされた。しかも、建築家という本業を持ちながら、である。どこからこれほどの創作意欲、インスピレーション、体力・気力がわき出てくるのであろうか。

私の想像する著者像は、もはや超人としか言いようがない。

 

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新之介文庫では次の出版企画を進めています。

著者・太田新之介の執筆領域はますます広がっています。

テーマは「日本のすがた・かたち」といえます。

そして次代に日本人の優れた記憶を伝達することも・・・。

 

 

写真 伊勢神宮 遷御(せんぎょ)の儀(深夜に行われる) 

 トップページ   私・佐々木も参加した去年7月末の内宮「お白石持ち行事」 

 

 


2014年9月1日