日本のすがた・かたち

2014年10月10日
プレカット思考

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「ツーバイフォー・枠組壁工法」とは我が国の明治初頭に北米から伝わり、40年ほど前から流行してきた建築工法です。

「約2インチ×約4インチ(ツーバイフォー)」材を主な基本構造材とすることからその名が付いています。

主として建売住宅に用いられ、現在では世界で最も多く採用されている工法といわれています。

特色は規格の統一、安定した部材の供給や高品質、現場での汎用性、シンプルな構造システムの実現などで、大きなメリットがあるとされています。

 

縄文時代から江戸末期まで、我が国では「木の建築」が主流で、住居から寺院、神社、城郭など殆どの建築は在来工法と呼ばれる建築工法で造られてきました。

yjimage[3].jpg明治時代からレンガ、鉄、コンクリートなどの素材を用いた建築が多く造られるようになりましたが、住宅の分野では圧倒的に木造建築が主流で、現在では木質系といわれるものを含めるとその数と量は変わりません。変わったのは、ツーバイフォー工法によるものでした。

ツーバイフォー工法が流行り始めた頃、日本古来の在来工法は廃れ、駆逐されるといわれました。私も日本建築の最大の危機を迎えたように思いました。まるで黒船来襲のように思えたものでした。

yjimage[9].jpg多くの国がこの工法の採用を薦めた中、日本の木の建築に携わる人たちは我が国の独自の道を模索しました。それが在来工法の弱点をカバーするために開発した「プレカット工法」でした。先人の智慧を頼りに最先端技術を採用した結果でした。

 

現在の木造軸組住宅建設の大半は、このプレカットによるものといわれます。

木材をあらかじめ機械でカット(きざみ加工)する工法は、大工職人の減少などを背景に1990年ごろより急速に普及し、木造軸組住宅のプレハブ化を促しました。2005年現在、大都市部でのプレカット率は90%を超え、木造軸組住宅建設の主流となっています。

 

近年、このプレカットは進化をとげ、熟練の大工職人に負けず劣らずの加工レベルに達していて、これからの日本の木の建築造りの主要な工法になる可能性が大です。

 

主流の住宅、中規模の公共施設、大規模な社寺や公共施設を「木の建築」で…。

四年前、「木材利用促進法」を作った日本人は、地球温暖化などの理由もあり、建物の木造化の動きが世界的流れとなってきた今、新たな「木の建築」造りに邁進し、先人の智慧を伝え、駆使する時代に遭遇しているようです。

 

私は「Sのプロジェクト」で日本中に三百年対応の「木の建築」造りを目指しています。

高度なプレカットと伝統工法を継承する匠集団とのコラボレーション。

優れた日本人の記憶を後に伝えたい一心です。                                                              

写真:某建築計画模型 製作(株)太田新之介建築事務所 作業風景:ウキペデイア


2014年10月10日