日本のすがた・かたち

2012年8月1日
風が吹いている

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風が吹いている 僕はここで生きていく 晴れわたる空に 誰かが叫んだ
ここに明日はある 〜

ウーン、いい歌だな〜
この曲が流れるたびに口ずさんでいます。
オリンピックのニュースが過激さを増すこの猛暑ですが、現在、私の最大関心事は大震災後の町の復興計画です。特に高台に町ごと移転するという街づくりにあります。

関係のある各地の町での復興計画は行政指導によるものや、コンサル主導によるものなど様々ですが、地域の新たな街づくりは是非ともそこに住む住民の主導で、と願うものです。
そして、新たな街をつくる基本的な考え方を、「木の建築」によるものとされたらいかが、という提案です。ひと町のすべてを木造の、それも電柱や広い真直ぐな道路のない、できれば江戸、明治、大正時代までの頃の意匠で整えた街並みを作りだしたらどうか、というものです。

無論、防災や安全、快適などの利便性は最先端技術を駆使したものになりますが、街に先人が営々と積み重ねてきた「木の建築」を蘇らせることができると考えています。
つい最近まで人の住む町には地域の表情というものがありました。我々がその地域性を無くしてから久しいことです。私は何処に行っても街の表情が一緒というのに疑問をもっています。
また、多発する河川の氾濫に流木が関係している個所が多くみられるようになりました。植樹の限りを尽くし、それを放置してきたツケが回ってきています。育った木を使い、それで建造物を造り、それをまた子孫に伝えてゆく。無限に近い素材を有する森林国家の素晴らしい知恵の結晶が我々には有るはずです。
高台移転する町に全国から職人が集まり、木を使い、土を使い、シックイや紙などで平成の手わざを発揮する。これが可能なのは「木の建築」に他ならないと強く思います。

今、「木の建築」で美しい街並みを造ろう、と若い人たちに伝えているところです。

〜ここに明日はある ここに希望はある 君と笑えたら 夢をつなぎあえたなら
信じあえるだろう 想いあえるだろう この時代を 僕らを この瞬間(とき)を〜


 


2012年8月1日