Sのプロジェクト

2017年2月5日
造営の仕組み

IMG_20170206_0001.jpg「三島御寮」造営計画は七つの仕組みから成り立っています。

 

1.空想  想い描く

2.創る  思い定める

3.段取る  準備する

4.地を得る

5.建てる

6.使う

7.護り育てる

 

1.「空想・想い描く」

20年ほど前に思いめぐらせたことに始まります。

当時は12年かけて建立した岐阜瑞龍寺僧堂の大改築が無事円成を迎える頃でした。その頃ボンヤリと考えていたことが、木造建築造営の継承でした。

(先人が伝えてきた日本の智慧が木の建築に結晶している。いつか自分もこの素晴らしさを次代に伝えられるようになれるといいな・・・)

 

このボンヤリは松尾流家元好みの茶室の造営後(岐阜・白鶴亭)に、ある確信として私の意思のようなものになってきました。

 

ある未明、何時ものようにうつらうつらした夢の中で、空から見えたものが幾つもの甍を繋いだ建築群でした。

白い富士の威容が見えました。不動明王も現れました。

今風にいうとドローンで鳥瞰したような感じでした。

この朝から夢で見た光景が私の脳裏に棲みつき、やがて20年ほど想いめぐらせていたすがたがはっきりしてきました。

 

「自分で思うような木の建築を造営してみたい!」。そう思うに至りました。

 

建築の設計監理を通じ考えていたことは、縄文期より造られてきた日本の優れた伝統文化の結晶である木の建築でした。

 

先ず取りかかったのは、木の建築を造るために自分は何をしたいのかをまとめる作業でした。

『Sの計画・木の建築ルネッサンス』はそのための出版でした。

原稿を書いていて気が付いたことは、「日本のすがた・かたち」でした。

この執筆を経て私の裡に大きな目標が現われました。

 

上梓から12年。24世紀に向けて志向は高揚しています。

 

 

写真:岐阜 瑞龍寺僧堂

 TP 現れた不動明王のスケッチ

                                                                                                                                                                                                                 


2017年2月5日