新之介文庫だより

2019年9月6日
近詠・句歌都々逸50

 

つまらぬ日 深更飽かず 月を観る

 

空広し 出会いの人の 好ましき

 

止められぬ 初秋の夜の 土弄り

 

気持ち好し ああそこ美し 筆の先

 

筆持てば 天地の果てを 飛翔せり

 

設計は 模型や恋の 秋の空

 

了として 始む設計 恋探り

 

大雨に 落ちる一葉 宵晩夏

 

宵闇の 闇を待つ身に 月明り

 

懐かしの 歌に歳月 川の如

 

朝夕の 僅か涼しき 縁の先

 

台風に 旅の企て 崩壊す

 

信濃なる 遺跡を辿る 川遠し

 

時々の 天地の声か 夏や往く

 

引きこもる 蟻に託して 汗拭う

 

今日は今日 明日は明日の 夢便り

 

明星の 輝く宵の 香りかな

 

手を握り 道路横断 お買い物

 

大いなる 企てばかり 道祖神

 

石仏に 花を手向けて 明日を訊く

 

 

 


2019年9月6日