新之介文庫だより

2018年1月26日
近詠・句歌都々逸17

 

例えれば 東の光 春の夢 木々の芽吹きの 増すや嬉しき

 

今ココに ひとり立つ身の 健やかさ

 

夜の空 だあれもいない 金曜日

 

我が友は スケッチブック 春の風

 

鉛筆の 黒きを好む 月明り

 

人見知り かくも治らぬ 炬燵かな

 

若い女子を見る目が変よ 何処を見てるのド近眼

 

「老々介護ってネ」ボケてしまえば苦労はないに 骨の始末もワシゃ知らね

 

ボケた証拠かセリフが何時も「昔ゃ良かった」って 言った途端にまた「昔ゃ」

 

視力落ちたらアバタもエクボ 見えぬ見えぬとすぐ触る

 

ジジイ威張るなババアも黙れ 介護しないぞ早くイケ

 

バブル熱 去年のダンスに 蒸し返す

 

神の名前も知らないくせに 頼み事するもどかしさ

 

夜の帳が降りてる頃に 恋も始まるドンド焼

 

神の炎に焼かれる札に 願をかけたり縋ったり

 

「美しい十代・・ネ」主と歌った青春ソング 今じゃ老人ボケソング

 

「今でもネ」美空ひばりと島倉千代子 歌を聴いては手を叩く

 

お酒カラオケあたしは嫌い 何時も割り勘で歌わせぬ

 

明日も分からぬ老少不定 恋の成就をただ急げ

 

 


2018年1月26日