新之介文庫だより
2017年8月23日
近詠・句歌都々逸Ⅳ
庭の松虫 音を止めてさえ もしや来たかと騒ぐ胸
待って頂戴 イクのが早い 主に似ている新幹線
聞いて頂戴 アタシの願い 主のお金と身が欲しい
付いておいでと 言われて行けば 野暮なお方の侘び住まい
この下駄で 蹴ってやりたやもし届くなら 今宵の二人にゃ邪魔な月
君は素敵だ あなたは凄い 汗にまみれるオスとメス
嫁に行く前 別れの逢瀬 女心のしなやかさ
お前太いな あんたはダルマ 十年過ぎた秋の夜
君はスリムだ アナタはマッチョ 出会った頃の夏の夜
燃えているよな 素振りを見せて 何も仕掛けぬ野暮カラス
ボケた振りして 悪さをしたら 敵もさるものせびられた
ボケりゃ敵なし ワガママ地蔵 バレりゃ閻魔が舌を抜く
今日は極楽 明日は地獄 往くも往かぬも主次第
壺の中から 出てきた蛙 上目遣いで何見やる
松の翠に 例える操 松を枯らせる虫もいる
写真:庭の松虫…
2017年8月23日