イベント情報

2017年12月11日
錦秋の庭をめぐり

名建築・みがき隊の隊長及川博文さんが、「錦秋の庭をめぐり」と題してHPに投稿されています。

今年も錦秋の箱根に行ってみたかったのですが、このところ多用に過ぎて叶わず、及川さんの一文で紅葉を愛でることに。箱根の神仙郷は名園の中の名園。一年を通じて日本の美を堪能できるところです。

以下、HPより転載。

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錦秋の庭をめぐり

今秋、早稲田大学の生涯学習講座にて、箱根強羅にある神仙郷(国の登録記念物)の庭園を龍居竹之介先生(日本庭園協会名誉会長)の解説で巡る機会を許されました。

秋深まると、箱根には多くの観光客が訪れますが、箱根美術館が建つ神仙郷の庭は紅葉の美しい庭園として近年人気が高まっています。
龍居先生を先頭に、二つの滝の景、自然な山中の景、明るく開放的な巨石の景など、次々に展開する景観を楽しみながら一行は庭内を進みました。
神仙郷は傾斜地を巧みに生かし、箱根外輪山の遠望と一体化した庭で、巡る場所毎に視点場があって、飽きず庭を楽しむことができます。
苔庭では、鮮やかな照葉が美しく、地に伸びる樹木の影も面白く、「苔の青」と「モミジの紅」のコントラストがとても印象的な情景をつくりだしていました。

こうした庭園では、建物から見る景色は緻密に計算され、また建物も庭の一部として溶け込んでいて、建物と庭が不離一体である事を感じます。
龍居先生が庭や建物の見方について、お話しくださいました。
一般的に皆さんが庭や建物を見る時、「いつできたのか」、「誰がつくったのか」という事を必ずというほど聞きたがるものです。
そして、その情報を知ると…ろくに庭や建物を見ないで、安心して帰っていくんです(笑)

胸に手を当てれば…苦笑いしてしまいます。
いつできた、誰がつくった、だけに左右されるのでは無く、自らの感性を働かせ、純粋にその空間の面白さや美しさを探訪することが、とても大切な事であるとの教えです。
艶やかな景色を心に写し多くの学びに感謝した一日、自らの感性を高めて、来年の錦秋の頃、再びこの庭を巡ろうと思いました。
(写真上:神仙郷 石楽園から箱根美術館を見る)
(写真中:龍居先生の解説にて神仙郷を巡る)
(写真下:神仙郷 建物と庭/観山亭と茶室「山月庵」竹門)
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「神仙郷」文化遺産オンライン
早稲田大学エクステンションセンター
講座「倒叙日本庭園史」

2017 旅好きが選ぶ!日本の紅葉名所ランキング (神仙郷 箱根美術館 6位)

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名建築・みがき隊HP

http://migaki-tai.org/archives/890

 


2017年12月11日