日本のすがた・かたち

2017年1月18日
権力と権威

9ae7b1dd[1].jpg1月20日にアメリカの新大統領就任式が行われます。

このところのマスコミはトランプ報道一色の感があり、トランプショックやリスクということをみると、いかにアメリカの動向が世界に影響を与えているのかを今更のように知らされます。

トランプと私との直接的な関わりは無いので、余り実感はないのですが、関心をもっているところは権力のすがたです。

 

現在プーチン、習近平等を筆頭に独裁政治によって国を治めている権力者は、熾烈な権力闘争を経ながらも頭角を現し、国に号令をかけ、世界に君臨しようとする者のようです。権力者の野望は尽きるところがありません。

トランプ新大統領もまた強大な権力者として、世に君臨するチャンスと権利を手中にすることになります。

 

しかし、物事には是非や善悪というように二つに分けることのできないことが多く、強大な権力を持てば持つほど、矛盾に満ちた世のすがたに直面することになります。大きな権力者が存在することによって国内外の混乱が増大するということです。

 

ヒトラー、レーニン、毛沢東、フセインなどは戦前からの権力者として記憶されていますが、韓国の大統領の末路ではありませんが、彼らばかりではなく古今東西の権力者の権力強大であればあるほど、その末路は哀れなもので、権力史に遺る者ほど暗殺や悲惨な結果と評価に晒されています。

 

th[10].jpgSNSを利用したトランプはツブヤキで世論に影響を与えてきましたが、ピコ太郎も同じようなものです。共通することは一過性ということで、共にいいたいことをいい、やりたいことを発信するという現象です。ツイッターによる発言を悪いとはいいませんが、就任後の様変わりに注目です。

 

国が混乱し衰退することの原因は、国のすがたかたちから生み出されてくる精神性の欠如によるものと思われます。

現代社会において、個人的権力や民衆という権力者に、法による国のすがたやかたちの精神性を求めることはできず、絶えず争い奪略の迷路をさまようことになります。隣国の混乱をみれば一目瞭然です。

 

江戸時代は武士が権力を握り、独裁的な政治を行いました。しかし徳川将軍家が平伏さざるをえなかったものがありました。それは永い間に醸成されてきた国の精神ともいうべき権威でした。

 

権威とは天皇です。

我が国にはトランプのような人物が現れる土壌がありません。権力者がどうしても平伏しなければならない、国のすがたかたちそのものといえる天皇の存在があるからです。天皇は国の精神の柱です。

 

私は、現代日本国のすがたを世界が学んでくれるといいな、と思うひとりです。

 

  


2017年1月18日