日本のすがた・かたち

2011年6月3日
アマテラス-1 はじめに

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この20年ほど追いかけているのがアマテラスです。
アマテラスとは勿論、女神の天照大神(アマテラスオオミカミ)のことです。
数年前に、2500年ほど飛騨に伝わったという口碑に出会いました。
その言い伝えには心底から驚きました。
天照大神が実存の人物で、夫はオモイカネノミコト、弟がスサノウノミコトで、ツキヨミノミコトは架空の弟でした。
その飛騨の口碑を読みすすめる内に、『古事記』や『日本書紀』に正史として書かれていることが、当時の権力者によって都合のいいように編集されていることを知りました。
神武天皇から欠代8代といわれた天皇もすべて実在で、口碑にはその史実と思える内容が活きいきと伝えられています。
当然、その口碑の追跡調査が始まったことはいうまでもありません。
なぜならば、そこから日本人の精神性の始原のすがたが推測できるだけでなく、古神道や天皇家のすがた・かたちが浮き彫りにされるからでした。
それに伊勢神宮です。
伊勢神宮は私の生涯のテーマのひとつです。
伊勢神宮の歴史や存在意義を知ることにより、日本人の創ってきた巨大な文化の塊である「木の建築」のすがたが観えるはず、というものです。
現在は伊勢神宮を始めとして各地の「一之宮」といわれる神社を訪ねています。
古代の文化財などの調査は、当時の出来事を知り、当時の地名を調べ、その痕跡である遺跡や遺物を見て、文献・史料や神社・仏閣などの建築を見ます。
伊勢神宮正殿はアマテラスの社として、天皇家の祖神を祀り、天皇陛下ただ一人しか参拝を許されない神社です。
この20年ほど追いかけてきたアマテラスのすがたが、今年になってようやく見えてきました。
これから、伊勢神宮にまつわる不思議な物語をつづっていこうと思っています。
                                                             (写真 伊勢神宮内宮 旧殿地 覆屋 )                                                                                                                                                                                                                                     


2011年6月3日