新之介文庫だより

2018年7月15日
近詠・句歌都々逸24

 

15日 朝凄まじき 蝉時雨

 

蝉声や 豪雨の死者を 送りけり

 

蝉時雨 去年の逢瀬の 朝の雲

 

明日朝も 蝉時雨かな 誰ぞ待つ

 

何を待つ 天より降つる 蝉時雨

 

設計を 励ます今朝の 蝉の声

 

想い成る 夢よ続けよ 蝉時雨

 

蝉時雨 引越し前の 応援歌

 

蝉たちの 大合唱の 朝枕

 

蝉声や 僅かな命 燃やしけり

 

妖しげに 蛍や乱舞 恋ごころ

 

一瞬の 命燃やして 舞う蛍

 

闇にこそ 逢瀬を隠す 蛍狩

 

あの夜の 蛍の乱舞 濡れそぼる

 

いつまでも 蛍の乱舞 闇の中

 

手を繋ぎ 蛍の宿を 訪ねけり

 

舞う蛍 光軌は何時か フリージャズ

 

F分の 1と揺らぐか 闇蛍

 

声出さず 激しく燃える 蛍かな

 

後れ毛か 闇の匂いに 蛍舞う

 

〽 鳴くが情かよ 鳴かぬが情か 蝉と蛍の根くらべ

 

 

 


2018年7月15日