新之介文庫だより

2013年4月21日
『水晶殿改修記』-21 地震国日本

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新之介文庫の佐々木です。

今月淡路島で地震がありました。17年前の阪神・淡路大震災を思い起こした方も多かったのではないでしょうか。

また三宅島や中部地方でも中地震が多発しています。

イランや中国でも大きな地震が起きましたが、回数の上でも本当に日本は地震列島。

そして2年前、東日本大震災発生。3月11日この日、水晶殿のある熱海市は「震度4」。静岡県内は概ね「震度4」でした。

私は、静岡県牧之原市で打ち合わせ中、自分の体調が悪くなったのではと思い、立っておられず、腰をおろしてしまいました。

周囲を見渡すと、電線が大きく揺れている。間もなく、防災情報が町の各所にあるスピーカーから聞こえ、地震発生である事がわかりました。

ついに東海地震が起きたのか。津波は来るのか。解体工事中の水晶殿は・・・。

この時刻、太田は水晶殿改修工事の打ち合わせのため、現場の監理事務所の二階におりました。

事務員の河野憲子さんと大きな揺れに遭遇したようでしたが、物が落ちるようなことはなかったとのこと。

つつじ山の下にある竹中、日管さんの現場事務所では室内のものが落下し、建物が壊れそうだったようです。

「水晶殿の真下近くには玄武岩層がある。このためこの周辺の建物には損傷が出ても、水晶殿は安全だ。それと耐震上まれにみる強度を保有している。」

太田の後日談です。

解体途中の水晶殿は大きく揺れましたが、どこにも影響は及びませんでした。60年前の創建時、造営主は熱海市内でこの地が一番地盤が良い場所と分かっていたと思いました。

監理事務所から熱海湾が一望できます。津波が寄せ、海面が上がったのが見えて、大地震が起きたことを知ったそうです。

私の郷里は岩手、太田のご親戚は石巻と女川に。

被災された方のご冥福と、一日も早い復興をお祈りします。

 

(写真  内部解体が進むこの日の水晶殿 左奥が設計監理事務所)


2013年4月21日