新之介文庫だより
新之介文庫の佐々木です。
この時点で、工事関係者の役割がはっきりしてきました。
これまでこの計画を練りに練ってきた建築家と設計チームは、改修工事に臨む精神の柱作り。
施工業者側からみた改修工事の質や程度など。
水晶殿を挟んで関係者の思いが交差します。
建築家は各社のヒアリングを聴き、見積書をチェックして、施工者選定に関する報告書を提出しました。
「ヒアリングは大成建設が一番良かったと思う。だけど…」
施主サイドは三つの派で構成されている組織なので、選定は難しいかもしれない、とのことでした。
太田はこのように言って、それ以外は何も…。
建築4社は、各派がそれぞれ推薦した施工会社だったため、決定は何を決めてとするのか、金額か、造営主に関する理解度か。
見積金額は、低額順に、
1、竹中工務店 2、大成建設 3、鹿島建設 4、清水建設で、設計事務所提出の見積金額はは3、4、の間でした。1~3社が設計価格を下回りました。
設備工事は、1.日管 2.菱和設備 3.太洋テクニカで、設計金額は2~3の間で、2社が設計価格を下回りました。
決定は包括法人の役員会にて行われ、竹中工務店、日管に決定しました。
「さあ、これから現場を担当するする人たちの力量が問われることになるな。我々ももちろんだぞ、気を引き締めて行かないと」
建築家は、この改修工事の難度がとても高いことを肌で感じていたようでした。それを乗り越えるには、造営主の思想や願いに近づくしかない、とも言っていました。
2010年10月27日(水)13:00より 水晶殿において工事契約が取り交わされました。
起工式である着工奉告参拝は 10月29日(金)14:00 に行われ、いよいよ工事開始。
工事は幾多の困難に直面することになりますが、設計監理側と施工者側、双方がかたちを造ることに立ち向かっていく始まりです。
私も気が抜けない毎日が始まりました。
(写真 水晶殿完成後の夜景 撮影 ヒロ・フォトビルヂング)