イベント情報

2019年4月21日
四国村-古建築を集めた野外博物館-(転載)

—先日、四国を訪れる機会がありましたので、香川県高松市屋島にある四国村に行ってきました。
四国村は江戸から大正時代にかけて、四国各地で建てられた民家を中心とする約33棟の建築物を集めて復元させた屋外型の博物館です。約半数以上が国や県、市の指定文化財であり、地域色豊かな建築物を通して、往時の日本人の暮らしや大工職人の伝統技術などを学ぶことができます。

農村歌舞伎舞台と呼ばれるこの建物は、江戸時代につくられ、春と秋に村民自らが演者となって歌舞伎を楽しまれた舞台です。その後、昭和52年に移築され、現在は市の指定文化財に指定されています。
建物は間口約10.9m、奥行約8.2mと、舞台としては少し小さくも感じますが、建物を中心に円弧を描くようにずらっと並んだ観覧席が、建物と野外の一体感を演出しているように感じました。
また往時は歌舞伎の場面転換をスムーズにするために舞台の円形の床を人力で回転させる「廻り舞台」が設けられていたようです。
現在は、舞台の上手から下手までひな壇がビッシリと飾られていたこともあり、往時の賑やかな情景が思い浮かばれました。古建築の利活用は往時の文化を蘇らせてくれる貴重な取り組みだと改めて感じました。

(中略)

伝統的な建築の型式が受け継がれる中で、地域の風土や当時の生活慣習に合わせて造られてきた建物からは家人の息吹や大工職人の知恵の一端が垣間見られ、往時のありのままの状態を継承する大切さを改めて感じます。復元についても使用材料が往時のままであれば、風趣に富む希少な建物となり、時代を跨いで先人に思いを馳せることができるのだろうと思います。—

 

名建築・みがき隊HP

http://migaki-tai.org/archives/2368

 

名建築・みがき隊チーフの今野貴広さんが先月HPに投稿された一文が目に留まりました。
転載して多くの方に読んで頂こうと思いました。
この中で述べられていることは、「伝統と私」という大切な接点です。
また、建築の見方についてもわかり易く参考になるものと思います。

画像とも転載

 


2019年4月21日