イベント情報

2014年10月24日
床掛物

IMG_5634.JPG                                                                                              佐々木です。

10月19日(日)に北鎌倉で「第七回雪堂茶会」がおこなわれました。

小野田雪堂と言う書家が亡くなって9年、今年も床に掛けられているのは、

「この今をありがとうございます」。

これが中心で、茶会は進められます。

利休が「床掛物が第一」とは、良く言ったものです。

 

そして、今年は亭主の後方に「富士閑雲の図」という、雪堂先生作の画賛の床掛物が・・・。

 

これは、雪堂先生が生前、新之介さんの事務所の30周年のお祝いに贈ったもので、この絵が実に素敵です。

会場で実際ご覧になられた方にも好評でした。

これは良い物を頂いたと言う事で、新之介さんは、後日茶事に先生をお招きして、表具をした床掛物を本席にと、秘かに計画をしました。

しかし、残念な事にその後しばらくして、先生は突然亡くなられました。

 

今でもそのころを思い出し、先生の心が新之介さんには生きている。

これが今回の茶会で亭主床に掛けられ、サブテーマの話題となりました。

富士山が世界遺産に登録されましたが、これも何かの縁でしょうか。

 

各地で様々な茶会が開かれますが、ここの茶会でなくては味わうことが出来ない、亭主の思いが、床掛物には有ります。

参加者の中には、雪堂先生にお会いしていない方もあり、こんな身近に感じるエピソードを聞くことができて本当によかったと言う、お話が有りました。

お茶会という日本人の集いが素晴らしいと感じた一日でした。

                                                                  

写真: 「富士閑雲の図」 小野田雪堂画賛(当日亭主床の掛物)


2014年10月24日