イベント情報
11月19日(日)第10回「雪堂茶会」が雪堂美術館で行われます。
私にとってのこの茶会は、美術館の門である「雪堂門」の設計から始まっています。
ディジュリドゥ演奏家のKNOBさんこと中村亘利さんが下記の一文を書いています。
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開門式
2004年11月3日。雪堂美術館が開館しました。 午前9時から 開門式が執り行なわれました。スーツ姿でばっちり決まった雪堂先生と 建築をされた太田新之介さんから贈られた着物を着られ人力車で登場された奥様芝雪先生。 このことを知らなかった雪堂先生はびっくりしながらも うれしそうに目に涙を浮かべていました。 御来賓に参議院議員前国家公安委員長の 小野清子先生 町田デザイン専門学校校長の 横山武人先生 新経営研究会代表の 松尾隆先生を迎えて 開門式は始まりました。
斎主 太田新之介さんにより お祓い 祝詞があげられ 水引き結びきりを 館長 雪堂先生が行いました。 そして 僕が初めて目にした 開門奏上 浄められた竹を持った 新之介さんが 「千歳楽 萬歳楽 永々棟 開門」と発声され その間合計7回 打ち付けられました。 初めてみる 日本の伝統的な建築の儀式に 震えるような感動をおぼえました。 木で地面を打つのは 天と地を繋ぐ、大地に祈りを伝えるという意味があるそうです。 そして 館長夫妻により 門は開けられました。 清清しい檜の門をくぐると、今までの様々なことが頭の中を駆け巡りました。 先生が御近所に迷惑にならないようにと 最小人数で行われた開門式の後は美術館の中で沢山の御来賓の方々を迎えての 開館式が開かれました。 雪堂先生御夫妻や 御来賓の皆様 美術館設立を支えてきた建設委員新之介さん ひとりひとりの思いのこもった言葉 ひとつひとつが心に染みました。
建設委員の若い仲間を代表して 僕が演奏する番となりました。 演奏前に話すことを決めていたのですが、おめでとうございますと先生と目が合った瞬間に誰よりも きっとこの日を望み 志し半ばにして亡くなられた先生の御子息 ひとしさんのことが 僕の心の中にいっぱいに思い出されました。 絶対に喜んでくれてるだろうな。 きっと 今日もどこかで見守ってくれてるだろうな。 そんなことを思ったら涙が出てきて しゃべることが出来なくなってしまい、一言話して、すぐにディジュリドゥに口をつけました。 何も考えず ただ雪堂先生 芝雪先生 今回の設立に御尽力を承ったひとりひとり 雪堂先生と共に歩んでこられた書藝新潮社の先輩方 そして ひとしさんに吹こうと思った。 いろんなことが思い出された いろんな人の笑顔が浮かんだ。 あふれる鼻水をすすりながら 泣きながらディジュリドゥを吹いた。 こんなことは きっと 今後もないだろうと思う。 そして こんなにうれしいことは生まれて初めてだった。 本当に本当に 開館できたことを心から喜ばれている先生。おめでとうございました。 御協力いただいた すべての方に心から感謝いたします。
これからが また新たなスタートです。 ひとりでも多くの方が この美術館に 小野田雪堂という人間に繋がっていくように 頑張っていきたいと思います。 開館準備の時 新しく出版された一字千金のサイン会は先生が おつかれになるから止めましょうとの意見の中 「僕はやるよ。倒れるまでやるんだ。みんながこんなに頑張ってくれたんだから」と先生は笑顔でおっしゃいました。 開館初日 沢山の方にサインをされる先生名前とサインを書いていただきうれしそうにされる方々。 こんなふうに 幸せが 笑顔が生まれる美術館に関われている今を本当に幸せに思います。 この今をありがとうございます。 ひとりの願いが 万人の願いに….
合掌 中村 亘利 (KNOB)
ノブさんのHPより転載
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そして、第1回「雪堂茶会」の主催者あいさつ文。
ごあいさつ
小野田雪堂先生は生前、講師の太田新之介さんに美術館が開館したら樵隠塾を開きたいと望まれていました。先生は去年の9月、第1回の樵隠塾を開くことができ、何よりと喜ばれておりましが、その矢先、10月15日にお亡くなりになりました。
塾の継続か否かの時、皆様からの強い要望にも支えられ、鎌倉樵隠塾を1年間継続して参りました。この9月から2期目に入ることになり、今期からは塾の組織を整え、皆様のご要望に応えて、講座に加え新しい企画をさせて頂くことになりました。
第1回の行事として、雪堂先生を偲ぶ茶会を企画いたしました。これは先生の書を床の間に掛け、講師の太田新之介先生がご亭主となってお茶会をするものです。
今回は、太田先生が雪堂先生と中国旅行をされた時、列車の長旅の間に、茶籠を使いお茶を点て、車中茶会をされたことにちなみ行われるものです。ご亭主に、雪堂先生の思い出話や、書や茶の湯での交流のお話しをして頂き、また、KNOBさんには「雪堂先生に捧ぐ」というテーマのライブをお願いしております。
この「雪堂茶会」は樵隠塾の恒例行事とさせて頂き、毎年、春秋に開催できるよう努力して参りますので、宜しくご協力のほどお願い申し上げます。
11月19日は、和やかで楽しいお茶会になると思っております。鎌倉樵隠塾の塾生の方に限らず、ご関係の皆様にもお友達をお誘い合わせの上、錦秋の北鎌倉にお出かけ下さるようご案内申し上げます。
開催日:平成18年11月19日(日)
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そして雪堂氏13回忌の来たる平成29年11月19日(日)の奇しくも同月同日に第10回の開催となりました。
錦秋の北鎌倉へ、皆さまお誘いあわせの上、お出かけ下さるようご案内いたします。
http://blog.livedoor.jp/tennen_koodoboku/archives/72987836.html
写真:2004年11月3日 雪堂美術館「雪堂門」開門式
下 開門された「雪堂門」と添えられた芝雪梅(鹿児島紅)