ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

オークション出品 7/10~7/16

№21 
安南赤絵草花文碗 16~17世紀

安南(ベトナム)で焼かれた赤絵の碗。
紅安南茶碗といわれる。
中国元様式の赤絵を基にした紅安南の茶碗は、16~17世紀の室町~江戸時代に輸入され茶碗として珍重された。
高い高台や色味、意匠が唐物や高麗物と違い独特の雰囲気があることから茶人が好んだ。
ざっくりとした胎土に厚い白釉を掛けて焼成後、赤や緑の上絵をつけて焼いている。
高台内部はベトナム陶芸が12世紀以来おこなってきた伝統の厚い鉄泥(渋薬)が塗られている。
近年、安南物は中国福建省からの製品輸入説が有力視されている。

作品説明
時代16~17世紀
オムコイ出土品
紅安南手といわれ、茶人に人気のある高高台の茶碗である。
内部の底は、蛇の目という釉薬が円形に抜かれた部分があり、重ね焼きをしたものと分かる。
経年変化による風化があるが、欠けなどはなく完品といえる。
高台内は鉄銹が塗られる。
永く土中にあったため貫入部に土などの有機物が入り、色絵の紅は褪色している。
出土時の土を水洗浄しているが、使用には土臭などを除く必要がある。

サイズ
口径:12.5  高さ:9.3センチ

 

№22 
カンボジア・クメール黒褐釉碗  11~12世紀

クメール陶は、9~13世紀に現在のカンボジアを中心として栄えたクメール族の王国で作られた陶器をいう。
土器から始まり、9世紀後半から灰釉をかけた陶器が作られ、クレン・タイプと呼ばれる初期の胎土が灰色か灰白で、透明性の灰釉がかかるものは希少という。
クメール陶を代表する黒褐釉は10世紀末から始まり、端正で格調高い姿は東南アジア屈指のものといわれている。

作品説明
時代11~12世紀
オムコイ出土品
わずかな高台を削り出した筒形の端正な碗で、黒褐釉が均一に品良くかかっている。
同型の灰釉のものが出土しているので、12世紀前半のものと考えられる。
高台立ち上がり部にわずかに巣状のキズがあるが、焼成時にできたものと思える。
他に微細な窯キズはあるが、欠けはなく完品といえる。建水に使うことも可。水洗浄済。

サイズ
径:13.1  高さ:9.8センチ

 

№25 
タイ・サワンカローク白濁釉褐彩人物像 15~16世紀

サワンカロークは、現在のタイ中部スコータイ県、サワンカローク地方にあった古窯名から呼ばれるタイ陶磁器の名である。
スコータイ王朝の衛星都市として発展し、13世紀ラームカムヘーン王時代に華僑によって、陶磁器技術がもたらされ窯業が盛んとなった。
日本では戦国時代や江戸時代に輸入され、茶人に宋胡録(すんころく)と呼ばれ珍重された。
この地方で作られた焼物は13世紀末から15世紀頃に掛けて焼成され、一部の合子など小品類は16世紀頃まで作られていたといわれる。

作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
白濁釉褐彩の小品類の中でも数の少ない人物像。
愛嬌のある顔で背中が大きく張り出ている。
類品は幾つか見かけたが、大小があり、この像は小品の類。
お守りや玩具で作られたと考えられる。
造形的に高度な技術を感じさせる。
左腕から肩にかけてひび割れがあるが、破損となるものではないと思える。
経年変化による風化があるが、良品といえる。

サイズ
タテ:6.0  ヨコ:5.3  高さ:7.4センチ

 

 


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2017年7月10日