ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

オークション出品 7/31~8/6

№-37
安南染付鳥文筒碗 16~17世紀

日本では染付、中国では青花、欧米ではブルー・アンド・ホワイトと呼称される。
安南(ベトナム)染付は、14世紀後半に始まったとの説があるが、通説では1407年の中国・明朝のベトナム侵攻前後に、中国陶工の移住があったことから、15世紀初頭となっている。
安南染付は釉薬に灰分が多く含まれるため流れやすく、釉下の呉須下絵も滲んだものとなる。これを我が国では藍染め絞りに見立て絞り手と呼んでいる。
蜻蛉手は17世紀後半から日本でしか見られなかったため、茶人がベトナムに注文していたとい考えられていた。30年ほど前からミャンマーとタイ国境沿いの山(チェンマイ県オムコイ、ターク県メソート地区)から数多く出土したため、日本向けではなかったと判明している。

作品解説
時代16~17世紀
オムコイ出土品
絞り手の一種で、 安南の独特の鳥の絵付けがある筒形の茶碗で、茶人垂涎の安南手である。
永く土中に埋まっていたため、貫入全体に汚れが染み、湯を入れると土臭があるため、使用には再度洗浄を施してからが望ましい。
経年による古色は風格を見せ、冬季に使用する筒茶碗として珍重される。
キズ、欠けはなく、完品といえる。

サイズ
口径:10.0 胴径:10.4 高さ:9.5センチ

 

№-38
安南赤絵花文合子 16~17世紀

安南(ベトナム)で焼かれた赤絵の合子。紅安南と呼ばれる。
中国元様式の赤絵をもとにした紅安南の合子は、16~17世紀の室町~江戸時代に輸入され紅安南といわれた茶碗などと共に珍重された。合子はタイのオンコイ地区で数多く出土した中に石灰が残っていたものもあり、上流階級の使用したキンマ(ビンロウジと石灰とキンマの葉を噛む習慣による嗜好品)入れだったとされる。キンマは当時からタイで広く愛好され、キンマの道具入れなどの用具が発達し、陶磁器のほか漆を塗ったものも作られた。
日本に輸出された安南染付、紅安南茶碗と共に茶人に香合として使われた。
近年、安南赤絵は中国南方の窯との説が有力となっている。

作品説明
時代16~17世紀
タイ・メソートと国境を接するミャンマー領内パゴダ遺跡基壇からの出土品(中国景徳鎮製染付品、合子などと共に出土)ざっくりした胎土に白濁釉を掛け、焼成後、赤や緑の上絵をつけ焼いている。
赤色が経年により褪色し、少しかすれている。
焼成時にできた身の立ち上げ隅の割れ、窯キズの他、色絵の風化はあるが良品といえる。
山土ではなく砂質土中にあったためか、貫入部に汚れがなく全体は綺麗きれいな状態を保っている。
香合として珍重される作品である。
洗浄済。

サイズ
タテ:5.6  ヨコ:4.6  高さ:3.3センチ

 

№-40
タイ・カロン鉄絵平碗 15~16世紀

カロンは、タイ北部チェンマイ付近に位置した15世紀前後に開かれた窯で、ランナータイといわれるタイ北方王朝の北方諸窯では代表的な窯だった。タイ中央部のスコータイやシーサッチャナライのスコータイ王朝やアユタヤ王朝の窯とは異なり、製陶技術は精巧で鉄釉、鉄絵、青磁など高度な作品を遺している。特色は柔らかい雰囲気の器胎に独特の鉄絵文様を描き、透明釉を施したものが多い。小品の動物類は希少で造形的価値が高いといわれている。

作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
外周はカロン文様の特色でもある唐草文。内部は円が3つ描かれている。軽く薄作りで精緻な平碗に一気に線を引いているのが分かる。少し緑がかる透明釉下に、茶色で温かみのある鉄絵が描かれている。土中の経年による風化はあるが貫入も綺麗で完品といえる。
洗浄済。

サイズ
径:13.8  高さ:5.5センチ

 

 


ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai

よりご高覧ください。

2017年7月31日