ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴
出品紹介
№5
タイ・スワンカローク彫褐釉彩ブタ形水注
サワンカロークは、現在の中部スコータイ県サワンカローク地方にあった古窯名から呼ばれるタイ陶磁名である。スコータイ王朝の衛星都市として発展し、13世紀ラームカムヘーン王時代に華僑によって陶磁器技術がもたらされ窯業が盛んとなった。
日本では戦国時代や江戸時代に輸入され、茶人に宋胡録(すんころく)と呼ばれ珍重されたた。
作品説明
時代15~16世紀
オンコイ出土品
ブタの顔を持つ器胎に彫を施し褐釉と白濁失透釉で塗り分け焼成した双耳水注である。
当時の陶工たちはこのような小品を大量に作っていて、そのいずれもが造形的に高い評価を得ている。実際に水注に使用したのか定かではないが、美術工芸品としての価値は高い。
永く土中にあったため風化はあるが、欠けなどはなく完品といえる。
顔と尻尾が面白く愛嬌がある。水洗浄済。使用可。
サイズ
タテ:6.9 ヨコ:5.6 高さ:5.6センチ
№6
タイ・カロン鉄絵草花魚文平碗 15~16世紀
カロンは、タイ北部チェンマイ付近に位置した15世紀前後に開かれた窯で、ランナータイといわれるタイ北方王朝の北方諸窯では代表的な窯だった。タイ中央部のスコータイやシーサッチャナライのスコータイ王朝やアユタヤ王朝の窯とは異なり、製陶技術は精巧で鉄釉、鉄絵、青磁など高度な作品を遺している。特色は柔らかい雰囲気の器胎に独特の鉄絵文様を描き、透明釉を施したものが多い。
作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
カロン様といえる独特の草花文が平碗の外周に描かれ、見込み底に福瑞の象徴である魚文が描かれている。文様の発色は僅かに滲みがあるが良い。口辺周りに小さな窯キズがある。永く土中にあったためか、貫入部分に景色ができている。完品といえる。
カロン窯の特色を備えた作品である。洗浄済。
茶人が薄茶席で自信を持ってお披露目できる一碗といえる。
サイズ
口径:13.8 高さ:5.8センチ
№10
カンボジア・クメール灰釉碗 11~12世紀
クメール陶器は、9~13世紀に現在のカンボジアを中心として栄えたクメール族の王国で作られた陶器をいう。黒褐釉のかかった端正な姿は東南アジア屈指のものといわれている。
土器から始まり、9世紀後半から灰釉をかけた陶器が作られ、クレン・タイプと呼ばれる初期の胎土が灰色か灰白で、透明性の灰釉がかかるものは希少なものとされている。
クメール陶器を代表する黒褐釉は10世紀末から始まるが、灰釉陶器はそれ以前のものともいわれている。
作品説明
時代11~12世紀
オンコイ出土品
高台のない碁笥底という形で、立ち上がり部に段差のある稜線を作っている。
姿は端正で精緻な作りである。灰釉は経年によって淡いベージュ色に変化していると思える。同じ形状の黒褐釉の碗があることから、11世紀前半のものと考えられる。
クメール陶器初期のホワイト・クメールと呼ばれる碗である。茶人は濃茶の茶碗として珍重する。口辺部に反りがあるが風格を感じさせる。キズ、欠けはなく完品といえる。洗浄済。
サイズ
径:12.4~13.5 高さ:6.8センチ
ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai
よりご高覧ください。