日本のすがた・かたち

2020年9月1日
「バカヤロー!」、「コノヤロー!」

安倍首相が辞任しました。
お疲れ様でした、長いこと有難うございました。

辞任に関し、マスコミやネットでは賛否両論が噴出して姦しい限りです。
情報が多すぎて困ることがありますが、言いたいことをいえる世の中は幸か不幸か分かりませんが、個人個人が情報を選択することを余儀なくされている時代であることは間違いないようです。

 

私は、普段は思うところがあり、政治についてはつとめて発言しないようにしています。
何故かというと、仕事柄、色々なところから依頼があり、依頼主の地位や立場で仕事の選択をしないという観点から、政治色や宗教色の発言は控え、それ故特定の政治家や党の良否に関わることも避け、刑務所から出所した人の仕事も依頼されたら引き受けています。仕事は選ばないという立場からです。

 

昨今は芸能や音楽、スポーツ界など名の知れた人たちがこぞって政党や個人を支持するかしないかを鮮明にして活発に活動しています。
これは本人の自由ですので特段いうことはありません。が、ただ政治的発言により自身が世に色分けされることを承知の上であれば、ですが・・・。

 

私個人はというと、内心は思うところがあり特に政治の分野では選り好みが強く、何かにつけ白黒着けたがる性質も手伝って先鋭的になっています。それ故、何時もニュースを観ては、誰彼となく意に反していれば(バカヤロー)、(コノヤロー!)、と呟いています。

しかし(コノヤロー!)ばかりではなく、常は眼の前にした設計に全力を投じでいます。
この世に造る建築を設計して半世紀になりますが、そこには政治的色分けや権力や名誉欲というものはなく、ただひたすら我が国にとって、依頼主にとって、また次代にとって、今発現しているデザインで良いのか? そう念じながらの毎日です。
そして建築の設計は文学的であると思っていることもあり、その建築に関わる人たちと生死を共にする幾つものストーリーを練りながら進めています。
何年やってきてもこの今の巣籠もり状態の生活環境は好ましいといえるものです。

 

人間が存在する限り政は続きます。
権力は生まれ、そして瞬く間に潰え、その繰り返しが歴史です。

 

私は今、遺跡となるような木造建築をデザインしたい、そう思って暮らしています。コロナと熱中症に好かれないように、とも・・・。

 

 

写真:ネパールで入手した仏画「タンカ」。何時も傍にいて想像力を掻き立ててくれています。


2020年9月1日