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藤枝の大祭り

 先週末は藤枝の三年に一度の大祭りに参加してきました。これまでにも何度かうかがったことはあるんですけどね、このたびは「白子(しろこ)」という地区の屋台に「芸人」として乗務いたしました。

 藤枝市の旧市街(いくつかの村や町が合併して藤枝市になったのだそうで、旧市街がもともとの藤枝なのだそうです)を各地区の屋台が私達芸人(長唄囃子連中)を乗せて街中を移動しては、かどかどで日本舞踊を披露します。江戸や上方の文化の行き交う東海道の、宿場町ならではのお祭りといえるでしょうね。

まるで太古の恐竜のように

 現在、街には十四の屋台があるそうですが、街中の驚くほど細い路地まで入って行くときには滅多に出会うことはありません。時として通りの角のすぐ先に他所の屋台を見かけることが稀にあっても、密林で出会った巨大な草食の恐竜同士のように相手を追うでもなく、避けるでもなく、しかしお互いを充分に意識しながら、また離れていきます。

 夜ともなると大通りで停車する他所の地区の屋台の屋根に取り付けられた二つのヘッドライトが、まるでこちらのパフォーマンスを見つめているようにも視えます。しかし、屋台同士は決して目を合わせることなくすれ違っていくように視えるのです。

熱海にもこんな祭りがあったら

 そう、本当に思いました。熱海にはこういう祭りがなければいけませんね。山道は屋台は持ち上がらないでしょうから海岸通りをパレードしてね。地方(じかた:伴奏者のことです)はプロを喚んで、踊りは芸者衆に踊らせましょう。花火大会とセットでね。

「だんじり」や「博多山笠」みたいな勇壮な祭りもありますけれど、静岡にはあのようなのんびりした、されど都会的な雰囲気を漂わせた祭りが似合うんじゃないかと思うのです。

 いつの日か「F1グランプリ」を熱海の市街地コースに誘致して、その前座で屋台のレースをしても面白いかもしれません。屋台にはターボエンジンを積んで、地方はみんなお揃いのヘルメットをかぶって…

2008年07月

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望月太喜之丞
(邦楽打楽器演奏家)