Sのプロジェクト

2020年4月26日
Sのプロジェクト2018・4

二枚の扉
「三島御寮」造営計画の中にある中央棟には大きな扉を計画しています。
高さ3メートルほどの木製の観音開きとなるものですが、中央に位置し、普段は閉じられていて、行事や儀式の際に開けられます。
寺院でいえば須弥壇のような場所で、その扉の裏が「茶の湯の舞台」の入口となっています。
建物全体の守護神である「伽藍童子」もこの扉の裏に作るつもりです。
扉は、分厚い桜材で裏表全面に彫刻を施す予定です。
テーマはロダンの「地獄の門」ならず、「日本の門」です。
彫りは彫刻師・高畠彩乃さんに相談しようと思っています。
現在、様々な門の扉を見て回りながらスケッチを重ねています。

この扉は「三島御寮」造営計画の核となるもので、心臓部にあたります。
この意匠が決まらないと中央棟の高さが決まらず、全ての棟に影響を及ぼすことになります。
建築は、これら細部に亘るものが全体のすがた・かたちを決め、全容が整うこともあります。
全ては美しさの追求から生じていることです。
後、2ヶ月ほどで基本計画がまとまる予定です。
長い道のりですが、何故か心は高揚し続けています。

 

写真:上 東博「アラビアの道」展にて
中 カアバ神殿の扉17世紀

2018・4 投稿

 

 


2020年4月26日