新之介文庫だより

2021年1月22日
近詠・句歌都々逸80

 

道端の 水仙に問う 相思かな

 

 

轟音の 滝に昇龍 不二の嶺

 

 

藪椿 消えぬ想いを 手折り挿す

 

 

散水や 春待つ苔の 色若し

 

 

人や逝く コロナ禍故の 空送り

 

 

コロナ禍や 失せる気力にも 芽吹く枝

 

 

騰々と 大路を走る 春の宵

 

 

蓬莱山 我が胸に在り 彼の世まで

 

 

デザイン 蒼龍窟 空駆ける

 

 

暖をとる ビール牛タン 紅い月

 

 

 又も春 遠い先祖に 掌を合わす

 

 

飲食に 命預ける 睦月中

 

 

星降れば 幼き昔 母の笑み

 

 

只待つは 天地往来 春の風

 

 

懐かしや 昔の女(ひと)の 短メール

 

 

春蘭も 動くが如し 春燃ゆる

 

 

設計も 今ひとつかと 寒い月

 

 

禅僧と 食の問答 餅を食う

 

 

茶を喫まん コロナを寄せぬ おまじない

 

 

語らえば D X か 春の縁

 

 


2021年1月22日