新之介文庫だより

2019年7月24日
近詠・句歌都々逸44

 

よしや夢 星空の下 月待てり

 

「バカみたい」 言われて仰ぐ 宵の星

 

何時までも 謎は解けずに 蝉時雨

 

彼のひとに 会いたし紅蓮や 池の端

 

唐黍や 醤油の匂い 母の味

 

整えば 望み叶うか 酔芙蓉

 

理知情や 揺れるAI 揺れる木々

 

草いきれ 手を繋いでは 夏木立

 

水潺々 今ココに在る 雲悠々

 

新様式 小間席心の すがたなる

 

眉月に 清しきひとを 重ね観る

 

アニメにも 語れる思想 有りと蝉

 

蝉時雨 届けと愛の 大合唱

 

反日や つまらぬ民の 焦りなる

 

つつがなく 設計既に 了りけり

 

待つほどに 天低くなり 蟻急げ

 

遠雷や あの日の匂い 蚊帳の内

 

枝豆に ビールの午後や 蝉時雨

 

縁側に 線香花火 盆近し

 

大気在り 動くか想い 夏の雲

 

 


2019年7月24日