新之介文庫だより

2018年10月3日
近詠・句歌都々逸28

 

アズナブール 唄い偲ぶか 彼の女(ひと)も

 

青春の 欠片を放つ 天蒼し

 

秋草や 思いの丈を 声とする

 

待つ身にも 名残の風か 枯尾花

 

秋雨に 来るか来ぬかの 旅の駅

 

〽三味の音を聴きゃ 寝た子も起きる 囃子ついでの 膝枕

 

金木犀 匂いは弱し ウロコ雲

 

今更の 恋心かな 酔芙蓉

 

屈折の 人生やいと 面白し

 

余生なし 連生いつか 果てもなし

 

〽龍虎吟嘯 雲風起す 私ゃ色掛け 主ょ起す

 

〽古稀も過ぎれば 見るからジジイ 私ゃ70 花盛り

 

曼珠沙華 ふるさとの海 墓参り

 

来てみれば 秋の古里 海の色 知る人もなし 波の静けさ

 

古里は 寂しきものとイワシ雲 思い出ばかり ただ海を見る

 

思い出は ふるさとの浜 父母の声 磯の香りを 運ぶさざ波

 

この世をば 離るる時に 何思う ふるさとの海 ふるさとの空

 

姉の墓 何処ぞと探す 彼岸かな

 

干物売る 老婆を知るや ふるさとの 海辺の町の 秋の侘しさ

 

立ち止る 磯の香に 夢の跡

 

 


2018年10月3日