ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

東南アジアの古陶磁考-3

 

2017年6月に「東南アジアの古陶磁考-1」の一文を、7月には「―2」を『新之介文庫だより』に投稿した。

「―1」では「謎の山脈」タイ北西部のタノントンチャイ山脈を。
「―2」では発掘しているタノントンチャイ山脈の少数民族の実態を書いた。

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はじめに
1998年から2000年にかけて四度タイに渡航した。
主たる目的は、タイ北西部のタノントンチャイ山脈から出土するやきものに会うためだ。子供の頃からやきものに興味を持ち、この頃、茶事をするようになって自分でも作陶をするようになっていた。
仕事柄、文様に関心が高く、古代の文物や絵画から行き着いた先が中国元の染付磁器に描かれた文様だった。建築彫刻における龍や鳳凰などの絵画的原点がそこにあった。
そして縁あって元の染付が出土するというタイの山奥へ。
出土するものは想像を超え、目を疑うものばかり。しかし、眼前には優れたとしか言えない美術品が・・・。
故あって先年、『東南アジアに渡った・元明のやきもの』(2003年里文出版刊)を上梓した。
また再び出土品を分類整理し、その真とするところを記して、世に出すことになった。このシリーズは、私のやきもの遍歴ということになりそうだ。
(6月投稿「東南アジアの古陶磁考―1」より)

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今回の「―3」は、実際の発掘現場で立ち会った記録を書いてみたい。
何時の日かこれらの記録を整理して、『東南アジアのやきもの』というタイトルで出版したいと思っている。
オークションに出品した作品は所有者の了解を得て、本に掲載させて頂く予定にしている。

2000年の9月にタイに渡り、数回目の発掘現場に立ち会った。
場所はチェンラーイ近郊の山中である。
ミャンマー(ビルマ)白釉緑彩の大壷類(15~16世紀)と、中国元代の青花龍文耳付大壷(13~14世紀)の出土に立ち会うことができた。

白釉緑彩の大壷には青銅の器、元青花大壷には明代の古染付碗が数点入っていた。
他にも緑彩の碗、大皿や燭台、元から明にかけての青花磁器類が出土した。

これらを得てから約10年かけて研究してきたものは、いずれ上梓したいと考えている。きっと、東洋における陶磁史に新たな1ページが加わるのではないかと思っている。

研究は旧論文や文献だけでなく、実物資料に勝るものはなく、発掘がいくつもの歴史を塗り変えて行くのは、論より証拠と思う。
10年かけて収集した陶磁器類は数百点。収集の方法は同種のデザインのもの約10点ずつ。美術館に展示されている1、2点では良くわからないのと納得が行かないことによる。建築文様の研究から始まった陶磁器類は何時の間にか研究対象となってしまった。

益々興味が募っている。

写真:上 ミャンマー白釉緑彩大壷の出土

上-2 山岳民族の娘

中  発掘立ち会い

中-2 白釉緑彩大壷の中身の取り出し

中-3 元・青花龍文大壷の出土

下  元・青花龍文大壷の中身の取り出し

 

 

 


ただいまの出品につきましては
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ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai

よりご高覧ください。

2018年2月20日