新之介文庫だより

2017年12月30日
近詠・句歌都々逸14

 

明る過ぎ 眠れぬ冬の 月明り

 

満月に 何も願わぬ 星の屑

 

彼の人を 思えば円 月明り

 

多忙にも 健やかに在る 年の暮れ

 

我もまた 宇宙なりけり 六次元

 

枯れるまで 生きるか 今朝の霜柱

 

好きなことして生きてる主に 老いを知らせる初日の出

 

どうなるかわからぬ明日に気を揉まず 首でも揉んで明日は明日に

 

皆同じ時間を生きる仲間たち 信じ切れれば 障ることなし

 

貧すれば 鈍すか 落ちる白椿

 

人生は いと面白し 冬籠り

 

年の瀬や 思わぬ福に 巡り会う

 

不思議なり 思うがままの 暦尾かな

 

囁けば 星まで届く 冬凛々

 

惚れた素振りも見せないくせに 側に近寄りゃ直ぐ迫る

 

金は出来たしマンション買えた そろそろ貴方と別れよか

 

この四季は目まぐるしくも冴えにけり 我は誰ぞとぼんやりとして

 

会わぬ人 会えぬ人とも 増え行きて これも定めと 賽銭を投ぐ

 

煩悩は 払えぬまでも 百八つ

 

除夜の鐘 打ちに来ぬかと 誰の声

 

写真:干支は酉から戌へ 木目込み人形制作は友人浅井真美さんのお母さん
「毎年有難うございます」

 

 

 


2017年12月30日