新之介文庫だより

2017年12月21日
近詠・句歌都々逸13

 

戦いは 我の裡にと 枯れ落葉

 

鉛筆を 走らす早き 歴史かな

 

名蹟を 説いて黄昏 背を正す

 

年の瀬や 往き交うばかりの 他人貌

 

人混みに 知る人のなし 安堵かな

 

交りに 戸惑う暮の 雪を待つ

 

ぼんやりと 海を眺める 至福の日

 

禁は禁でもアナタのキンは 勤酒勤欲果ては金

 

何時も知らない所を探し 何時も知っている人と逢う

 

面白いっていうのがホント 辛い悲しいことの後

 

海は海山は山とて川は川 海山川に我を観るかな

 

じいじとジジイじゃ立場が違う 主はジジイで「ん、」粋な方

 

あの日の逢瀬の続きを想い 夢で叶える目を閉じて

 

又かお股か果てまたズレか 股が恋しい年の暮

 

月が明るく眠れぬ夜は 狼男の真似をする

 

主と炬燵で手を握ったら 潤む瞳に火が点る

 

夢を叶える思いが夢で 主と添うのは夢の中

 

それぞれに 見える景色や 富士の嶺

 

坐禅組み 古里の海 思い出す

 

瞑想に 耽る夢見る 冬の朝

 

 


2017年12月21日