和の心にて候 Top

『水晶殿』-32 よみがえる記憶

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新之介文庫の佐々木です。


 真紅な夕陽が西の空を茜に染め、みるみる沈んでゆく。

  この美しさを言葉に現わすことはできない。


 著者は、ただ茜に染まり、無言のまま西方を見て立ち尽くす。

  
  日本列島には美しい風土がある。


 ひとはなぜ美しさにあこがれ、求めるのか。

 
  「美しさとの出会い」

  
  「蘇る懐かしさ、よみがえる記憶」

 
 著者は思う、自身の思う美しさを伝えよう。

  明日を生きる子孫(うみのこ)たちのために・・・


 

『水晶殿』-31 箱根、熱海、京都

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新之介文庫の佐々木です。


 造営主は人類の救済を進めるにとどまらず、

 箱根の神仙郷、熱海の瑞雲郷、京都の平安郷に、

 新文明社会を現わす地上天国のひな型として

 様々な美しい庭園や建築を遺した。


 その中にあって、熱海にあるモダニズム建築の粋「水晶殿」

 箱根にある茶室建築の粋「山月庵」

 この二つは、いずれ建築史上に名蹟として名をとどめる・・・


 造営主は、七十三年の生涯の中、

 立教者であるほか、思想家、科学者、医療家、文明評論家、

 書家、画家、歌人、華道家、建築家、造園家、美術工芸家、

 美術収集家、数寄者など、まさに超人であった。


 著者は若い時に、造営主の生誕地の造園設計に参画した。

 その東京墨田区橋場の石碑の前で、

 人の縁の不思議さと有難さに包まれながら、

 遥か雲上に光華を放っているだろう陽の光を観ていた。

『水晶殿』-30 美しき波動

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新之介文庫の佐々木です。


 現代建築は、人をして美しいと感じさせるものから遠ざかっている。

 建築は、技術革新や、文化芸術を孕んだ時代の先端である。

 その現代建築に欠けているもの、それは「美しさへの憧れ」だ。

  「美しき波動」を発する建築が少なくなってきた。


 建築家は多くの人々の心の底に、美しい波動を送ることを願い、

 依頼主(造営主)の本意に応え、その志向を定め、天地の意思に背かず、

 与えられた人、財、材、時を結集し、人々の人心教化に寄与せんとし、

 一連の行為を目指す・・・。


 「どのような建築であっても、人が涙するような美しいものを造りたい」

 著者は三十数年を経て、ここに、ひとつの回答を自分に語りかけた。

 建築家は、依頼主の願いに適うべく用意された、美しい使徒では、と。


『水晶殿』-29 建築とは何か

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新之介文庫の佐々木です。

「建築とは波動体である。

  その波動のエネルギーによって、

   生きとしいけるものに、大きな影響を与える」


水晶殿を造営した造営主は、

 「美しいもので人心を育て、美によって品性を高める」と言った。

  そして、箱根の強羅に名園を築き、名建築を、

  熱海瑞雲郷には会館と共に、水晶殿を象徴的な美の結晶として造営。


著者が水晶殿の赤い絨毯の上で、導きだした答えは、

  その建築がどのようにして造られていたかということで、

  そこに関わる人間(生きもの)はその波動によって

  生命としての健やかな再生を繰り返す、いわば再生装置となる・・・と。


 この時、水晶殿の眼下に広がる景色は、無音で微風が著者の頬を撫ぜた。

『水晶殿』-28 再生への道標

新之介文庫の佐々木です。

 建築は完成した時から古くなっていく。

 それは、形あるものの宿命である。

  コンクリートや鉄などの構造材の劣化による建築強度の低下、

  そして時代の生活様式の変化に対応できなくなり、

  さらに、大きな地震に対して補強や改築が必要になる事も。

 これらの命題にどう向き合うか。

  水晶殿の建築的意味を考えた時、

   この先何十年という「時の継承」に対する思いは、

   次世代に伝えるべきではないかと思う。

 建築は蘇生、再生を繰り返し、それをいかに成していくかにかかっている。


 次章では、「建築とは何か」にせまります。

(写真 水晶殿構造モデル)


随想『水晶殿』 申込手順

新之介文庫の佐々木です。

 随想『水晶殿』は装いも新たに、この12月より、増刷の運びとなりました。

 このホームページよりお申込みいただく手順について、お知らせいたします。


お申し込みの手順

 ①トップページの右側の「新刊本のご案内」

   ・書籍の表紙の絵又は、書籍購入の赤いところをクリックしてください。

 ②新刊「水晶殿」お申し込みはこちらからの画面がでます。

   ・下の方に「太田新之介 水晶殿 お申込みはこちら」の

    赤いところを、クリックしてください。

 ③「水晶殿」ご購入申し込みフォームの画面が出ます。

   ・順に入力してください。(必須項目)

   ・領収書が必要な方は、宛先を、その他のコメントなども

     「メッセージをどうぞ」のところへ、お願いいたします。

   ・確認画面でチェックして、訂正があれば手直しをした後で

    送信してください。

 ④受付後の確認メールが折り返し当方より、送信いたします。

   ・間違いないか、確認をしてください。

 ⑤後刻、当方より「代金、振込方法、発送の予定などについて」の

   ご案内のメールを送ります。

   (大量のお申し込みの際は、ご相談させていただきます。)

 ⑥代金をお振り込みください。

 ⑦振込確認後、書籍を発送いたします。

 

上記のとおりですが、ご不明な点などございましたら、ご連絡ください。

  新之介文庫 佐々木広志 mellchan123@tg.commufa.jp


 
 

   

   

 

 

『水晶殿』-27 陽気が充ちる

HP-1211.jpg新之介文庫の佐々木です。


 水晶殿の太陽を現わすという半円形ホールの真赤な絨毯の中央に坐る。

 著者はその日、朝の陽光を浴びていた。

 
 熱海市内を上空から見ると、全域がほぼ東南の海に面した半楕円地形で、

 南を眺望できる場所が少なく、あってもそれは、ほんの一部である。

 
 そして高さも関係する。

 高台に上がっても、真鶴岬、三浦半島、房総半島、

 南に白波の寄せる初島、熱海市街のその向こうには網代港などの伊豆半島東岸、

 遠くの利島ほか、伊豆七島が眺望できる「ピンポイント」はここにしかない。

 
 ホールの中央に坐ると、周囲のつつじ山は見えず、敷地周辺も視野に入らない。

 まるで宙に浮いているようだ。


 ここは『天地開闢(てんちかいびゃく)』以来この地が定まっていた』のである。


 この時座して感じたエネルギーは、何かと何を結ぶ力で生命を浄める波動ではないか、と。

 著者はこの体験を通し、建築は波動発源体そのものであることを発見する。

 水晶殿は美しい波動体だったのだ、と。

(写真 2011・12・11 皆既日食)


 

『水晶殿』-26 絶景に呼吸する

%EF%BC%A8%EF%BC%B0-1204-2.jpg新之介文庫の佐々木です。

 この建築は生きていて呼吸している・・・

 著者は、ある日、半円状のサッシュが全開されたホールの中心に座る。

  
  

 陽光が燦々と降り注ぐ相模の海がゆらゆらと動きだし、

  水晶殿に近づき、吸い込まれるかのような、

  そして、また出て行くことを繰り返す。

  「大気」が動いているのでは、とその時感じた。


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造営主はその積りでこの水晶殿を造ったとしか、、、。


  水晶殿が景色を喰べて、中で人がそれを味わう。

  誰がこのような情景を想像できただろうか。


 あれから60年経った今、またこの情景が再生されようとしている。

(写真 水晶殿完成模型)

 

『水晶殿』-25 太陽の通り道

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新之介文庫の佐々木です。


 朝日を全身に浴び、礼拝する、

 ご来光を仰ぐ、

 朝日は人間にとって凡てを再生させる、神秘の光である。


  九十九里浜から昇った太陽は、

  上総一之宮玉前神社(たまさきじんじゃ)の三の鳥居抜け、本殿を通り、

  その光は寒川神社を経て、富士山頂を走り、

  日蓮宗の霊山七面山(しちめんさん)の本尊七面大明神の尊顔を照らし、

  そのまま島根の出雲大社を通り、

  ネパールの釈迦の聖地ルンビ二に至る、、、、

 これが、古代から我が国に伝わる、太陽の通り道といわれているものである。


 造営主が天啓を受けたという、房総半島にある霊山鋸山、

  造営主の生誕の地は東京墨田区、

  この生誕の地から東に軸線を延ばすと犬吠埼、

  そして南に線を下げると鋸山、

  鋸山と七面山と出雲大社を結ぶライン上に、箱根神仙郷、

  18度線で南に下がると熱海瑞雲郷、

  そこから西に辿れば京都平安郷、

  平安郷と鋸山を結ぶ線上に熱海瑞雲郷がある。

  そして瑞雲郷の中心にあるのが「水晶殿」である。

偶然とはいえ、造営主のこの構想は・・・
 
  

『水晶殿』-24 そこに至る地中のトンネル

%EF%BC%A8%EF%BC%B0-1124.jpg新之介文庫の佐々木です。

 熱海『瑞雲郷』

 その中にある庭園は、造営主が自らが造った「地上楽園」のひな型。

 この庭園と、二つの建物 『旧会館』と『水晶殿』は一連のもの。

 その二つの建物を結ぶ一本の道。

  それが、地中で繋がっている隧道(ずいどう・トンネル)である。

  このトンネルの果す役割・・・


  全長120メートル、高さが7尺(2.1メートル)、幅が6尺(1.8メートル)。

  このトンネルから掘り出した土石は、すべて場内で使用処理されたという。

 
 数年前、著者はこのトンネルのど真ん中に一晩座った。

  和蝋燭の灯りだけで、香を焚き一人で。

 水晶殿の周辺には特殊な磁力が強く、磁気的なパワーがあるのでは・・・

  そこに目にはみえない「気」の流れがあることを、蝋燭の炎の揺れで知る。


 物音一つしない静寂の中で瞑想を終えた、その後の清々しい爽快感。

  今でも懐かしく思う体験である。