太田新之介作品集

2017年10月3日
作品-22 篆刻

10月9日(月)の「耕心茶会」に併せて、6日から陶芸家・佐々木泰男の「炎のこころ展」が催される。

先月半ばに佐々木さんが桐箱に署名する相談に来て、今まで使っていた印章ではバランスが今ひとつ、ということになり、結果として私が篆刻をすることに・・・。

このところ印を彫ることは殆どなく、印材を選び、印刀を研ぎながら、文字をデザインし、彫り始めたところアクシデントに遭遇することになった。

なんと、右手の指が攣ったのである。
彫る筋肉が弛緩していて、いきなりの行為なので、びっくりしたのだと思う。

暫く置いてまた挑んだところ、またも攣るはめに・・・。

仕方がないので近所の滝を観に散歩に出かけた。

(慣れとは恐ろしいことだ・・・)
滝を観ながらそう思った。

戻ってから気合を入れて一気呵成に彫り上げたのがこの二つ。
佐々木さんが取りに見え、押印の練習をした後帰られた。
個展の記念に進呈することにした。喜んで頂いたようだ。

篆刻は書画や詩作と共に君子のたしなみという。
久し振りに君子になったような気がした。

印材は鶏血の工芸材。先年中国で承知の上で求めたものである。
彼の陶芸活動の一助になればと思った。

 

写真:「泰」 丸印2種

 


2017年10月3日