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必読書

 二年程前、デュジュリドゥのKNOBさんやホーメイの岡山守治さんらで構
成される「てえげえ」のライブを、和蝋燭の灯りだけで行うという「闇ライブ」
を企画したことがあります。

 灯りの演出指導を太田先生にお願いしたくて、企画書を持ってご自宅に説
明に行かせていただいたのです。

 その時、太田先生から指摘されたことは、

 「青樹君が企画する闇には色がない。
  漆黒の闇の中にも、漆という色があるんだ」

ということでした。
 
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そして、ご本人から直接、

 「太田新之介と交流をしたいのなら、次の三冊を熟読するように」

と言われました。


  『陰影礼賛(いんえいらいさん)』(谷崎潤一郎 著)
  『風姿花伝(ふうしかでん)』(世阿弥 著)
  『狂雲集(きょううんしゅう)』(一休宗純 著)


 「そういえば、雪堂さんも『狂雲集』を良くご存知だったなあ。
  僕の作品に触れては、"新之介さんは『狂雲集』を読んでますね"と、
  何度も指摘された」 (太田先生)


 あれから二年がたちました。僕は一度目の『陰翳礼讃』をなんとなく読
み終え、『風姿花伝』は中学生向けに書かれた『すらすら読める風姿花伝』
という本の現代語訳の部分だけを斜め読み。

 (できない受験生の試験直前の一夜漬けみたいだよなあ)

 でも、一休宗純の『狂雲集』は、最初の数行を読んで止まったままです。
 彼の歌に自分の心をうまく重ねることができないのです。
 
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 一休さんと交流するのにも、必読書があるのかなあ。