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情を報(しら)せ、情に報いる

熱海瑞雲茶会ポスター


「お茶碗をひとまわり小さくして、中心をすこし右にずらす」
「客と席主の問答の文の下をそろえ、背景部分の陰をもっと濃くする」

熱海瑞雲茶会のポスターに、太田先生から細かい指導が入ります。

その作業は、どこに、どのような情報を掲載するかということよりも、何も
情報が記載されていない部分をいかに創るかということに、多くの時間
をかけているように感じました。

それはまるで、茶碗や言葉が放っている目に見えないオーラが漂う部分を察
知して、その空間を他の情報で侵さないようにしているようにも思えました。

茶室のしつらいも、このようにして行われるのでしょうか。


ところが、入稿の直前になって、今度は太田先生や実行委員の方々から、

 「この情報を追加して欲しい」

との連絡が多数入るようになりました。

 「えっ? ここに、文字を入れるんですか?」 (僕)

電話の向こうの太田先生が、なぜその情報を追加する必要があるのかについ
て、その理由を一つずつ説明をしてくださいました。

それは、この催事に足を運んでくださるお客様への心遣いだったり、お手伝
いしてくださる方への配慮だったり、ある方への心配りであることが感じら
れました。

もしかしたら、情報とは、「心情を報せる」、さらには「情けに報いる」と
いう意味なのだろうかと、僕はその言葉の起源に思いを馳せました。

太田先生が時間をかけて創った空間が、今度は文字で埋められてゆきます。

 
11月24日の茶会に先立って、太田先生が書き下ろした『熱海瑞雲茶会録』に
は、こんな茶席が登場します。


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 青々庵は、次の濃茶道具席に入る前に一呼吸おくために用意された空間の
 ような気がしたが、ただ一点、床之間に置かれた花と古銅の花入がとても
 印象的に思えた。

 光琳が好んだ写しの席と、ただ一点の花。

 他のものをそぎ落としてこそ、そこに観えるもの。

 ひとつの中に込められたもてなしを、久し振りに感じられ、化粧の掛込み
 天井に切られた突き上げ窓の明るさが印象的な小間席だった


        『熱海瑞雲茶会録 - 花荘りの席』より(太田新之介著)

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配られた心が相手に伝わったとき、その心はもう語られる必要がなくなり、
初めてそぎ落とすことができる。そうやって、ひとつひとつをそぎ落とすこ
とができれば…

僕は、まだ見ぬ「花荘りの席」を、頭に思い描きました。


 

コメント (2)

ユーミン:

はじめてコメントさせていただきます。
このようなお茶会は今まで経験したことがありません。
申し込み開始になったら、お茶券を購入します。 
お茶会の冊子の熱海瑞雲茶会録は予約することが出来るのですか?

ユーミンさん、コメントありがとうございます。

『熱海瑞雲茶会録』は、お茶券をご購入されてた方皆さんに、送呈させていただきます。

当日、熱海でお会いできることを楽しみにしています。

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