書簡往来
太田新之介様
(社)ガールスカウト日本連盟 会長 石井直子
ご無沙汰しておりますが、太田様のご消息は薫風に乗り、若い女性達から、私のもとに届いております。
ガールスカウトにも関わる彼女たちが、精神的価値を大切に、自ら考え行動する様子を間近でご覧になっている昨今、私たちの運動に一層ご関心をお寄せくださって、今年もガールスカウトの少女たちをご支援下さるよう、宜しくお願いします。
さて、来年ガールスカウト日本連盟は90周年を迎えます。
今や、地球上の国々は、同じ悩みを抱えて必死で生きている運命共同体。世界中のガールスカウトが、自ら考え行動し、社会に役立つ女性を育てようと、同じ「使命」を持って活動を続けています。
地球を支えられる次世代を育てるのが、私たちに残された、仕事と考えます。90周年記念事業のテーマ「心を育てるガールスカウト よりよい明日を作ります。」は、精神的価値を大切に、よりよい明日に向かって進んでいくガールスカウトたちの姿そのものです。
理想を持って凛然と歩む姿は、和の心にも通じると思われます。
お目もじかない、太田様の「和の心」の目指すところを、お教えいただくことを楽しみにしております。
(2009・5・8)
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石井直子様
拝復
ご無沙汰しておりました。
立夏も過ぎ、花橘の香る頃となりましたが、その後お変わりなきご様子何よりと存じます。
この度は、ガールスカウト日本連盟会長の激務のなか、愛知の活動のお手伝いにも、お言葉を頂きましたようで恐縮しております。
楽しい一日でした。
思いがけなくも熱田神宮茶会は、私に次代を担う子どもたちと向き合う機会を与えてくれることになりました。先に生きている大人は何をするのか、何ができるかを考えさせられた一会でした。
私は、日本人が国際的に活躍するために必要な文化的背景のひとつに、茶の湯があるとみてきました。それは、この風土に暮らす日本人にしか分からない、すがた・かたちであり、自然の中で人との交わり方、出処進退、立ち居振る舞い、箸の上げ下ろしに至るまで、先人の叡智が詰まったものと思っていたからです。
熱田神宮でのミニ茶会ではそれが実感できました。私に、子どもたちの笑顔と、驚く顔が、それを知らせてくれました。
門戸を広げ、内から外へガールスカウト活動を実践していく、という石井会長方針のお陰で、私も、3年前から交流をさせて頂き、中でも戸隠と郡上八幡のキャンプへの参加はとても刺激的で有意義な体験となりました。
そのご縁が重なり、一昨年は、250名の少女を祭事「和の心にて候」にお招きできましたこと嬉しく思っております。今年も祭事が11月29日(日)に催されれますが、100名のガールスカウトの子どもたちを、MOA美術館「能楽堂」にお招きし、石井会長が目指された「和の心」を感じてもらえればと思っています。
熱田の茶室では、団委員さんたちの結束と、何よりもトレイナーの活躍が光りました。
ガールスカウトの将来は、トレイナーといわれる人たちの活動が何よりも大事なことではないかと思い、この方たちの活躍こそが日本連盟の明日への希望となるのでは、と感じました。
これからまた、何かご縁があれば茶籠を持っていって、子どもたちと一緒に、日本人の“美まし”ところの時を共有してみよう、と思った熱田の茶会でした。
床かけものの「ありがとう」で、私も亡き母を思いました。
存命であれば100歳を過ぎていますが、いずれは皆、同じ行く道。あの子どもたちの笑顔が、私の母の日への、はなむけとなりました。
ありがとうございました。心より厚くお礼申し上げます。
またの拝眉を楽しみに。先ずはとり急ぎ御礼まで。
敬具
2009・5・12 太田新之介 拝