刺激がほしい
「姐さんこんばんわ。タマも変わりないわね」
「兵ちゃん、今夜はゆっくりしていってね」
「おひとつどうぞ」
「…旨い酒だなぁ」
口に移したお酒の中に 浮気の虫が二匹いた(50)
「意味が深いなぁ。酒も甘いなぁ」
「好きなお方ならね」
野暮なことでもあなたがすれば みんな絵になる華になる(51)
「絵になるか。今どきの人にはこれがないんだな」
「みんな同じようね。日本人の特色かもね」
「こんなのはどう?」
もっと欲しいの刺激が欲しい 激辛カレーに唐辛子(52)
「それが、いいんだか悪いんだか?」
「人間は、あまり刺激がないほうがいいんじゃないの」
「ボクは刺激が欲しい。生ぬるいのはヤダね。寿司と同じでサビ入りでなくちゃ」
「だけど、激辛カレーに唐辛子じゃ、お尻に良くないわ」
「尻も積もれば山となる」
「…おバカさん。口に甘いほうがいいわね。ん…」
くちづけしない思い出だけが ずっと私を抱きしめる(53)
「思い出が抱きしめる…。やさしい味がするなぁ」
「後味がいいでしょ」
「この辺が日本人の情緒だなぁ」
「無言の優しさっていうやつね」
「だけど激しい行為もなけりゃ寂しいね」
「この頃ひとりでパソコンにふけってる人多いんじゃない」
「独り遊びも悪くはないよ」
犬は怖いし女は苦手 独り遊びが得意技(54)
「得意技はないんじゃない」
「わたしピンクのサウスポー…」
「何よそれって」
「フフフ…」
「兵ちゃんと、こうしていられるの幸せね」
それでも日本は素敵な国ね こうして都々逸できるもの(55)
「タマがもう一本っていってるよ」
「タマも刺激が欲しいのかしら?」