あっ、鼻水が…
「兵ちゃんこんばんは、あら、タマどうしたの?」
「恋の病みたいだよ」
「お前はのべつ幕なしだろ」
「姐さん今夜は塩瀬に手描きの帯だね」
「アタシ、兵ちゃんに描いてもらいたいのよ」
「ボクのは恥描きだね」
「今夜はハイチの復興を願って、ひとつ、…ん」
行っちゃいやよと言われちゃいるが 行かにゃなるまいゃハイチなら(433)
「行っちゃいやななんて、どっかでもよく聞く台詞だけど…」
「深く考えすぎよ。それにしても日本のお国の復興は大したものね」
「神戸の時ね。地震に学んできた国だからね」
「なんだかんだって言っても、地震や津波に関しては世界一じゃないの」
「日本人の優れたところだね」
「兵ちゃん『行く』にかけて『待って』でひとついかが?」
「いってみようか、…ん」
待てと言っても待てないものは 時の移ろい褪せる恋(434)
「あらお洒落なこと、諸行無常ね」
「もうひとつ、ん」
梅がこぼれて桜が咲いた 諸行無常の春の川(435)
「まあお悟りの境地ね。兵ちゃんの春の川に寄せてね、…ん」
春はたけなわアタシは盛り 桜咲け咲け 「ウ―イ」酒よ酒(436)
「サケ、サケが効いてるね」
「タマも咲きたいニャーン」
「お前は毎晩『うーい』だろ」
「うっふーいだニャーン」
「お前まさか新婚さんじゃないだろね?」
「うふーん、だニャーン」
「やってろこのタマメタボめ!」
「姐さん妬いてないで色っぽいのをどう?」
「じゃ、口直しにね、…ん」
恋はお化けか知らない内に 何時も出てくる傍にいる(437)
「恋はお化けっていいね、お化けかー。小沢の一ちゃんみたいだね」
「あの人汚れたお化け顔になっちゃたわね。アタシ気に入っていたのに」
「今は品と色気と遊び心がある政治家は皆無だね」
「国民に麻酔をかけていい気になっているけど、皆知ってるのよ、悪って」
「4億円も現金で運ぶってまるで強盗ね。今時筋肉痛になるから流行らないな」
「税金を払ってなくて総理大臣になれる国って超先進国ね」
「日本はホントに変でいい国だよなぁ」
「宇宙人鳩ちゃんのことも、皆知ってるのにトボケちゃって」
「日本は変だけど乱視みたいな平和だね」
「兵ちゃん、眼が乱視ってので、ひとつどう?」
君は綺麗だあなたは若い 乱視がかったふたりなら(438)
「まあ、アタシを巻き添えにして、ヤーネ」
「姐さんは灰になるまで妖艶でいられるよ」
「乱視の眼で見ても?」
「そんなことないニャーン」
「コノヤロ、またいいところで出てきたね」
「もう女でなくなっているニャーン」
「お前、また皮を剥かれたいのか!」
「姐さん、タマは励ましているんだよ」
「女は上がってから勝負だニャーン」
「それって励ましてんの???」
「姐さん梅がこぼれだすと、もうすぐ花粉の季節だね、…ん」
声と器量じゃ負けないけれど 花粉ひとつに歯がたたぬ(439)
「ほんとね。綺麗な顔で鼻水たらして、色気も何もあったもんじゃないわ」
「相手もそうだと、お通夜の晩みたいな光景になるな」
「もう関係ない歳だニャーン」
「このタマメタボめ! 兵ちゃん悔しいったらありゃしない」
「タマは人生の実相をよく感知しているな」
「タマはカンチョーが好きだニャーン」
「姐さん少し寒いけど送ろうか」
「嬉しいわ、兵ちゃんの傍は暖かいもの」
「タマ、ウラマヤしいニャーン」
「あっ、鼻水が…」
「歳のせいかも…」