秋の虫
「兵ちゃんこんばんは。涼しくなってきたわね」
「姐さん、相変わらず妖艶だね」
「タマも変わりないニャーン」
「お前はお座敷にたむろしてないで、婚活でもしたらどうなの」
「タマ疼くニャーン」
「兵ちゃん新内閣もできた秋の夜だから、おひとつどう?」
「自民党は虫の息だね、…ん」
ピイロピイロと鳴く秋の虫 わたしゃあなたに泣きの虫(391)
「素敵ねえ、あなたって鳩山さんのこと? 官僚の都々逸みたいね」
「人間は皆、誰かに泣かされて生きているからね」
「こんなのは?…ん」
虫も見ているふたつの影を 忍ぶ恋路に宵の月(392)
「自民、公明みたいだね。せめてもの月の明るさに救いがあるなあ」
「こんなのは?…ん」
やるせないよと涙が浮かぶ 夏の終わりの恋の唄(393)
「おッ姐さん、もしかして夏の恋があったのか?」
「そうよ、兵ちゃんみたいな粋なお方に出会ったのよ! 」
「へー、知らなかったなあ」
「花火のように、ドンッと消えちゃったけど…」
「姐さんは幾つになっても女だなあ」
「こんなのはどう…ん」
聞いてちょうだい三筋の糸を 心伝えのこの唄を(394)
「いいねえ、じゃボクが姐さんの気持ちになって…」
思い届けと切なる唄は 君のみ胸で開く華(395)
「どう?きっと届いていたと思うよ」
「あなたの胸で開く華なんて、兵ちゃん流石ね。じゃお返しね」
あなたひとりのためにと唄う 昔の恋の子守唄(396)
「映画のシーンを見ているようだね」
「これは兵ちゃんにね」
「嬉しいなあ、深川芸者のラブソングだなあ」
「タマその気持ち分かるニャーン」
「お前、秋になったら冴えてきたね。ひとつやってごらん」
「ん、ゴロニャーン」
タマも浮かれるその唄の良さ 主が惚れそな憎らしさ(397)
「タマたまげたねぇ。お前芸者になれるよ」
「タマ浮かれるニャーン」
「タマが浮かれるなんて?? 意味深いわねえ」
「タマ、今夜はうら悲しい秋の月もいいし、一緒に歩こうか」
「タマうれしいニャーン」
「タマ! お前、お化粧なんてしていかなくていいのよ!」