くり返しネ
「兵ちゃん今晩は。今夜は少し元気ないわね」
「うん、世話になった人が亡くなったんだ」
「まあ、それはご愁傷さま」
「この歳になると、段々知り合いがいなくなるんだよなぁ」
「そうだわね。アタシなんかもう2,3人よ」
「タマは多いニャーン」
「兵ちゃん今夜はお弔いの都々逸でどうかしら」
「いいね、……ん」
人の別れの切なさつらさ「だけど、だけどね」会える嬉しさ美わしさ(300)
「お別れが辛いわ、兵ちゃんよく分かるわ」
「人生は出会いと別れの繰り返しだからね」
「本当にそうね。別れるために出会っているみたいね」
みんな悲しい切ない辛い あなたがいなけりゃなお辛い(301)
「兵ちゃん妬けるわね。私もひとつ…ん」
固い契りの男と女 金がないのが玉にキズ(302)
「お金も人生の縮図だからなぁ」
「タマにキズなんてないニャーン」
「バカだねお前は、タマ違いよ」
「兵ちゃんこんなのは」
思い思われ二人の仲は 重い重たい仲となる(303)
「それって分かるなぁ。重たくなるんだなぁ」
「それメタボニャーン」
「ほんとにお前はバカだね。お前のことじゃないんだよ」
「タマ、これには三通りの意味があるんだよ」
「タマ重くないニャーン」
「この天然バカメタボ!!」
逢って別れて別れて逢うは 人の定めの救い神(304)
「兵ちゃん、今夜は繰り返し掛け言葉都々逸ね」
「そうだね、粋でイナセでいいんじゃないの」
「アタシ、燃えてきたわ」
神も仏もいらないけれど 主のお金が只欲しい(305)
「磯千代姐さん、その考え方はいいね」
「兵ちゃん、女は幾つになっても現金よ」
「タマもそうニャーン」
「お前はサカリでしょ!」
「今夜もタマ疼くニャーン」
「兵ちゃんもうひとついくわね」
「いや、ボクがいってみるよ、……ん」
笑う他なしこの世のことは とどのつまりのあの世往き(306)
「ホ、ホ、ホ、ほんとにそうね。これってお悟りの境地ね」
「まあ、みんな偉そうなこといっててもこんなところだな」
「そこで笑えるといいわね」
「昔から人間は泣き笑いの毎日だよ」
「タマも鳴いてるニャーン」
「お前は目的があってでしょ」
「姐さん今夜は有難う。少し元気がでてきたよ」
「人間は歌舞音曲で神様から励まされるのよ」
「姐さん送って行こうか」
「嬉しいわ。桜も散って、明日は満月ね」