こぼれる
「兵ちゃんこんばんは、もう桜の季節ね」
「桜は優しいね。日本の花だね」
「梅は違うの?」
「梅は中国のイメージが残るね」
「アタシゃ梅の凛としたところと梅干しが好きだわ」
「梅干しババアニャーン」
「タマ、またでてきたね、覚えてらっしゃい!」
「梅はこぼれて桜は散り、ボタンは崩れ、椿は落ちるか」
「花の散り際ね。やっぱりアタシは牡丹だわ」
「姐さんは妖艶だからなあ」
「兵ちゃんって目が高いのね」
「とっくに崩れてるニャーン」
「バカタマ、おいで、潰してやるから!」
「姐さん今夜は花と鳥でいってみようか?」
「どうこんなの、…ん」
春のウグイス何着て寝やる 草を枕に葉を掛けて
「古典だね、いいね、きれいだね」
「兵ちゃんも」
メジロつがいで羨ましいか 番うも辛いとヒヨがなく (265)
「つがいのよさと、ひとりのよさね」
「人間は皆、独りだからね」
「ようはバランスね。誰かが見てくれてるといいのね」
「こんなのは、…ん」
家にとまらぬあなたが憎い 隣の枝でなぜ招く(266)
「意味深だね。ひとり寝の寂しさだね」
「鳥も人間みたいに年寄りになると恨みがましくなるのかしら」
「姐さんほどじゃないと思うよ」
「まあ好かない兵ちゃん」
「ホントニャーン」
「ダマレ、タマメタボめ!」
「この前公園で見た光景だけど…ん」
ヒール高くて首だし歩き 鳩がとなりで真似をする(267)
「ホホホホ、光景が目に浮かぶようね」
「可愛かったよ」
「歩行訓練した方がいいわね。…どうこんなの」
望月の 花の下にて肩寄せ合えば 散るは桜とならぬ恋(268)
「うーん、…『願わくは 花の下にて 春死なむ その如月の望月のころ』か」
「さすが兵ちゃん」
「西行法師の辞世の歌にかけてるね。姐さん最高レベルの都々逸だよ」
「そうかしら、アタシこう見えても文学少女だったのよ」
「どうせ変な文学ニャーン」
「コノヤロー」
春のウグイス人から人へ なかせ聴かすか谷わたり(269)
「兵ちゃんも文学少年だったのね。それって文豪谷崎ね」
「ボクのはアインシュタインの変態性理論だよ」
「まあ、粋なこと。タマもお仲間に入れてもらいな」
「タマケルニャーン??」
「もうひとつ」
花の中ならおもいが濡れる 笑みがこぼれる手がのびる(270)
「きれいだね。花と一緒にいると気持ちが晴れるね」
「アタシゃいやなことがあると花を見てお話するのよ」
「姐さん、笑顔がそれでいいんだね」
「そうよ、お座敷でお客様にそっとお裾分けね」
「芸者家業は救世(ぐぜ)の行だね」
「慎ましくね」
「姐さん今夜はタマも連れて歩こうか」
コメント (2)
つがいのよさと、ひとりのよさ
・・・・か。
ハイレベルですね。
付いていくのが、やっとです。
浅学でした。「番う」とすぐ下に書いてあるのに・・・・
読めないのは、空気だけでは
なかった。
「風刺花伝」で勉強します。
漢字検定よりは、ずっと
ずっと・・・・
兵ちゃん
これからも、よろしく。
投稿者: ささヤン | 2009年02月21日 05:11
日時: 2009年02月21日 05:11
投稿ありがとニャーン。
投稿者: タマ | 2009年02月24日 00:57
日時: 2009年02月24日 00:57