…と思った
「兵ちゃん、今夜も一発いきましょう」
「磯千代姐さん、一発って誤解を受ける発声だね」
「タマが首を傾げてるわよ」
「とりあえず、一発いってみようか、…ん」
北京五輪の光りと陰に 残る虚しさ脂こさ(135)
「餃子五輪も終わったわね。何となくヤラセと偽装が残ってね」
「それは何処の国にもあるよ。口パクも人間の本能だね」
「日本じゃ、あれはやらないわね。恥じも外聞もあるわ」
「いや、またテレビにあの手と同じ偽装ジジイが出てくるよ」
「やーね。それじゃ、私も古いのをひとつ、…ん」
嘘と誠をタモトに入れて どちら出すのも主次第(136)
「いいねぇ、古典は。どちらも貴方次第じゃ、お国柄も一緒だね」
「雨を蹴散らすためにとんでもない数のロケットを雲に打ちこんだそうよ」
「閉会式も快晴で、スモッグもなくなり、一石二鳥だね」
「何だか、自然を冒とくしてるようね」
「必ずバチが当たるよ。もうひとつ」
中国らしいな餃子の国だ たった1個で嘘まみれ(137)
「哀れな人たちね。可哀そうに、そうしないと生きられないのね」
「そうしてみると日本人は高潔だね」
「若い人たちは立派よ。応援なんかも品がいいわ」
「もう一発いってみるか」
「兵ちゃんが言うとちょっと変かしら?」
国の威信をかけてるわりにゃ 打ち上げ花火がしらじらと(138)
「そうだね。壮大な無駄遣いだね」
「もう一発!」
「花火みたいね」
五輪でね 国も地域も学んだことは 輪という大きな和があると(139)
「その意味では良かったね。だけど明日からまた元の木阿弥ね」
「ハレの日の祭りが終わると、常のケの日に戻る。世の常だね」
「お隣さんも日本人をお手本にするといいわ」
「人間は皆それぞれ違うから、相手を認めることから学ぶべきだな」
「兵ちゃんどうすればいいの?」
何々と ボクは思った君とは違う 違う同士が目で濡れる(140)
「粋だわね。兵ちゃん素敵! 自分はそう、と思ったって言えば、相手はどうなのか聞けるわね。そして互いに目を見てって、以心伝心ね。男と女はこうでなくっちゃ」
「決めつけじゃなくてね。案外、思いやりってこんなところかも知れないね」
「兵ちゃん目で濡らすのね」
「そこだーニャン」
「タマはいいわねえ。アチキも熱いの一発…ん」
熱いその手でまさぐらないで タマが悶える声が出る(141)
「おう、タマが悶えてる」
「今夜は何だかしんないけど新内でもやりたくなる晩ね」
「新内も艶があっていいなぁ」
「ウーんもう、タマんにゃいん」
「もう秋鮭が獲れてるみたいよ」