2009年08月17日
もどかしさ
「兵ちゃんこんばんは。タマも久しぶりね」
「姐さんお盆は?」
「今年は何十年振りに海水浴へ孫と行って来たわ」
「へー、泳いだの?」
「もちろんよ」
「まさかビキニじゃないだろうね」
「戦時中のビキニよ」
「シミーズとズロースだニャーン」
「タマ、お前は古いね~。今はタンクブラの時代よ」
「姐さんも昔の乙女であったことは間違いないからな」
「そうよ、悩殺ボデーだったのよ。兵ちゃんどうひとつ…」
たまの休みを浴衣で過ごし 誰を待つやら蝉しぐれ(370)
「粋ね~。兵ちゃん何処へ行ってたの? まさか熱海じゃないでしょうね」
「うん、その辺だね」
「まあ妬けること。・・・蝉ももう立秋過ぎてヒグラシね」
「風鈴も夕暮れになると少し寂しそうだね」
「季節って正直なものね、…ん」
木の香ただよう湯船につかりゃ 三味の音がする夏座敷(371)
「夏座敷か…。日本の夏の良さが際立つ室礼だなあ」
「温泉場の夏の夕暮れは格別ね」
「じゃこんなのは、…ん」
待っていたのよ湯舟の中で のぼせついでのヤケの酒(372)
「いいわね~。兵ちゃんからみた女ごころね」
「思い違いでちょっと切ないかなあ」
「まさか熱海で…?」
「もう古い湯船と一緒で手入れもできない歳だからなあ」
「まあ、嘘おっしゃい、そういって惑わすのが兵ちゃんだわ」
「ボクは無味無臭人畜無害だよ」
「アハハ、無味無臭猛毒でしょ」
「こんなだよ、…ん」
役に立つうちゃ手入れもするが 役に立たなきゃ手も入れぬ(373)
「やな兵ちゃん。でも夏のお座敷で風呂上りにうたた寝なんていいわね」
「タマもうたた寝好きニャーン」
「お前はうたた寝なんてシャレたものじゃなくて、フテ寝でしょ」
「姐さんあの“痛みゃせぬか…”てのやってみて」
「久しぶりだわ、…ん」
うたた寝の うつら眠りを小声で起こし 「ねえ、あなた…ねえ…」
ん、痛みゃせぬかよ右の手が(374)
「いい古典だね。きめ細やかな優しさが溢れているね」
「今はこんなこと言って上げる殿方がいないわね」
「女も無理だね。寝ていれば足で蹴飛ばされるのが落ちだからね」
「タマ蹴るニャーン」
「タマ、それってタマゲルの間違いだろ」
「姐さんもう秋だね」
「兵ちゃんがいないと寂しい秋になりそうだから、…ん」
ひとり寝の 夜の切なさ寂しさだけは 主がいなけりゃ消えやせぬ(375)
「女心の可愛いところだね」
「もうひとついっていいかしら、…ん」
ひとり寝の 夜の寂しさ辛さはないが 主に添い寝のもどかしさ(376)
「秋の夜は静かが一番だからね。迫れば良かったのに」
「ニャンだー、飢えて悶えてるだけニャーン」
「エロタマ! お前には言われたくないね」
「姐さん、本心からの行動はは美しいんじゃないの」
「兵ちゃん優しいのね。今夜も送ってね」
「久しぶりだから夜風に吹かれながらゆっくり歩こうか」
「タマ、ひとり寝は寂しいニャーン」
「タマ一緒に歩くか?」
「嬉しいニャーン。タマついでに岡釣りニャーン」
最近のコメント
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ささヤン on こぼれる:
つがいのよさと、ひと
タマ on 白いえり (英訳):
コメントありがとニャ
みりんちゃん on 白いえり (英訳):
いつも微笑みながら読
みりんちゃん on ごっこネ (英訳):
まみさん。都都逸も英
ささヤン on 白いえり (英訳):
お久しぶりです。
タマ on ついでね:
みりんちゃん、ありが
みりんちゃん on ついでね:
きもの姿のふっくらタ
兵衛 on 雲が出てきた:
≪ 雲の行方は誰もが
ささヤン on 雲が出てきた:
絶妙な雲の出番は お