和の心にて候 Top

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2009年03月08日
また会うなんて

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「兵ちゃん今晩は。ねぇ会ったのよ!」
「借金取りに?」
「野暮ねぇ。昔別れたカレよ」
「へー、何処で」
「それがお座敷帰りのクラブでよ」
「姐さんがクラブ? 老人介護クラブ?」
「違うわよシャンソン歌ってるとこよ」
「都々逸でやってみたら」
「こんなのどうかしら、…ん」


ioriten.gif久しぶりだわまた会うなんて いいわ隣で飲むくらい(278)
「何か歌の文句みたいでいいね」
「兵ちゃんも何時もの即興でお願い」


ioriten.gifここで会うのも何かの縁ね 皮肉すぎてるこの出会い(279)
「そうなのよ皮肉過ぎるわ、そこって別れた場所なのよ」
「何年前のこと?何人目の彼」
「何人目って、みんな初めての彼よ」
「乱交芸者ニャーン」
「タマ、お前と違うのよ!」
「タマ一人?だけニャーン」
「またアタシを怒らせる気なの」
「懐かしさだけ残っていたんだね」
「そうよ、こんなの、…ん」

                       

ioriten.gif懐かしさだけ置き去りにして 駆け抜けてゆく時もある(280)
「そうだ、あるんだよな」
「その時カレに女ができたのよ。聞いてやったわ」
「こんなにいい女はいないのにね」


ioriten.gifあの日の人は続いているの それとも別のあの方と(281)
「姐さん優しんだね」
「もう何十年も前のことだもの」


ioriten.gifほどほどにして身を固め 思いかためて、どう、やり直したら(282)
「姐さん未練がましくていいね。女の匂いがするね」
「そしたら彼って、もう少しでお迎えが来そうだから無理だって」
「こんなかな、…ん」


ioriten.gifやり直してもまあ同じこと あの日の頃に戻れない(283)
「故事にあるね、覆水盆に返らずだね」
「でもね、いい歳してクラブに来るなんていいんじゃない」
「尊厳死協会にでも入っていそうだね」
「カレはそんな不粋じゃないわ。もっとカッコいいのよ」
「武士の潔さが身上だね」
「そうよ素敵な枯れかたよ」
「それで…」


ioriten.gifそれでも何時か会う時までに あなたの幸を祈ってる(284)
「いい男だったんだね、その人」
「そうよ兵ちゃんみたいな人よ」
「姐さん上手いね。姐さんの代弁で唄おうか」
「お願いやって!」


ioriten.gif忘れた頃にまた出会ったら 口づけの日が蘇がえり(285)
「兵ちゃん有難う。いい思い出はいいわねぇ。今でも胸がときめくわ」
「この胸のときめきだね」
「そんなの年寄りのヨロメキニャーン」
「バカタマ、お前になんかに良さが分からないのよ」
「タマもよみがえるニャーン」
「姐さん、今夜の直球都々逸はシャンソンのようだったね」
「そうよ、都々逸は日本のシャンソンだもの」
「今夜はそこのクラブへ行ってみようか」
「まあ嬉しいわ、お願い連れてって」
「ボクがその元カレになりきってみるかな」
「タマ! なんて格好してるのよ」
「シャンソン歌いに行こうニャーン」

                                          

                                               


                                                                                                   


2009年03月23日
華の舞

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「兵ちゃん今晩は。行ってきたの?」
「熱海ね。行ってきたよ。総勢250人いるそうだよ」
「どうだった?」
「聞きしに勝るね。日本一かも知れないね」
「都々逸やってきたの?」
「やってきたよ。保乃加姐さんと一発」
「兵ちゃん聴かせて」
「見番があるとこが糸川べりで、…ん」


ioriten.gif君の色香につい惑わされ 通う糸川華の舞(286)
「兵ちゃんの即興なの?」
「温泉上りに掛け合いでね」
「お返しは?」


ioriten.gif又も二人が出会ったからにゃ 思うばかりじゃいられない(287)
「まあ、素敵なこと。そのお姐さんなの?」
「そうだ。小粋な地方さんでね」
「もうひとつ」
「ハコのお姐さんが爪弾きながら、…ん」

                       

ioriten.gifアタシ旬なのあなたはサカリ 息が溶け合う春の宵(288)
「まあ、奇麗だこと。溶け合うなんて妬けるわねぇ」
「さすが本場熱海の芸者衆。レベル高かったね」
「立方は?」
「舞も想像以上だね」
「じゃ、今度はアタシから、…ん」


ioriten.gif待っていたのに何故来ぬあなた お座敷帰りの月が泣く(289)
「磯千代姐さん寂しい思いをさせたようだね」
「そうよ、兵ちゃんのいないお座敷なんてつまらなくて」
「タマも寂しかったニャーン」
「タマ、芸者の真似なんかしてどうしたのよ」
「タマ、寂しくて妄想にふけってたニャーン」
「お前は違うことにふけってたんじゃないの」
「それじゃ、タマのために、…ん」


ioriten.gifタマが寂しいひとりの座敷 思い出しては慰める(290)
「兵ちゃん、それって意味深じゃない?」
「そうか?…ん」


ioriten.gif熱海芸者と糸川桜 色も実もあるあで姿(291)
「へー、よっぽど良かったのね」
「もうひとつ、…ん」


ioriten.gif熱海をどりの芸妓の舞は 能の舞台で華となる(292)
「熱海の芸妓さんは、能舞台でも舞うの?」
「今年も舞うそうだよ」
「芸者の鏡だわ、大したものね。何方かがいるの?」
「姐さんと同じくらいの芸者さんらしいよ」
「兵ちゃんアタシも見に連れてって」
「11月だそうだよ、行ってみようか」
「タマもお願いニャーン」
「タマごめんね。ひとりでタマ遊びでもしていてね」
「アタシも熱海で売り出そうかしら」
「うーん、何ともいえないなぁ」


                                            


 

 

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≪ 雲の行方は誰もが
ささヤン on 雲が出てきた:
絶妙な雲の出番は お