2008年12月07日
あと三つ
「兵ちゃんこんばんは、タマも相変わらずね」
「姐さんいよいよ今年もあと半月だね」
「開運の神様をお祭りする酉の市も、今年は三の酉まであったわ」
「この年は、元気すぎて火事が多いといわれているね」
「火の用心、火の用心」
「暮になるといい都々逸があるね」
「兵ちゃんひとつやって」
色と情の女と男 鐘を聴き聴き夢を見る(220)
「除夜の鐘ね。アタシもひとつ、…ん」
明けの鐘ゴンとなる頃仲直りしたら すねた時間が惜しくなる(221)
「古典だね。これは若い時分のことだね」
「今じゃ生きてる時間が惜しいね」
「そうよ、アタシゃ生きてる時間が惜しいわ」
「歳をとると、感じ方が全く変わるな」
「だって、明けの鐘まで起きてなんかいられないもの」
「葬送の鐘だね」
「まあ、兵ちゃんいやね。じゃ、口直しにもひとつ古典ね、…ん」
去年の今夜は知らない同士 今年の今夜はうちのひと(222)
「そうだね、人の出会いは突然だものね」
「アタシゃ暮になると、この出会いにかけてるのよ」
「宝くじと同じで確立低いニャーン」
「タマ、長いセリフをいうんじゃないの」
「タマもかけるニャーン」
「一緒にしないの!!」
「じゃ、今度ボクが、…ん」
火燵の中で聴いてる除夜の 鐘の響きで手をにぎる(223)
「いいわねぇ、おコタの中なんて」
「ボクはコタツが好きでね」
「おコタの中で手を握るなんて、色気があるわねぇ」
「コタツの中で見てるニャーン」
「バカタマ!」
「こんなのは?」
何もかも ほっかむりして鐘の音聴けば 開けた途端にチャラになる(224)
「チャラっていいわね」
「日本人は除夜の鐘を聞いて年が明ければ新しい人間になれるんだよ」
「そうね、昨日の顔を忘れてもう別人ね」
「そうさ、別人28号さ」
「兵ちゃん少し古くない?」
「もひとつ」
有難や 除夜の鐘聴きゃ悩みは晴れる 晴れぬ煩悩あと三つ(225)
「煩悩が百八っつより多すぎるのね」
「どうもそうらしい。だから正月になっても悩んでるんだな」
「お正月は罪、ケガレを払えるのよ」
「日本人はすごいよなぁ。クリスマスには愛を、除夜には煩悩を、正月は罪ケガレを払うものな」
「それだけ、多く身体にくっついているんじゃないの? 日本人って」
「少なくとも磯千代姐さんはそうかも知れないね」
「きっとそうニャーン」
「タマ、三味線の革になりたいの!」
「タマ、ツブレルニャーン」
「兵ちゃんこんなのは?」
松の操がアタシの良さで ドジで浮気が主の良さ(226)
「姐さん操っていう歳だけど、もうとっくに喪失してるんじゃないの」
「まあ、兵ちゃん失礼ね。アタシゃ操が堅くて生きてんのよ」
「必要なくなっているニャーン」
「タマ、剥いてやるからね!!」
「姐さん年の瀬だけど、ゆっくり行こうよ」
「兵ちゃん、温泉にでも連れてってね」
最近のコメント
投稿ありがとニャー
ささヤン on こぼれる:
つがいのよさと、ひと
タマ on 白いえり (英訳):
コメントありがとニャ
みりんちゃん on 白いえり (英訳):
いつも微笑みながら読
みりんちゃん on ごっこネ (英訳):
まみさん。都都逸も英
ささヤン on 白いえり (英訳):
お久しぶりです。
タマ on ついでね:
みりんちゃん、ありが
みりんちゃん on ついでね:
きもの姿のふっくらタ
兵衛 on 雲が出てきた:
≪ 雲の行方は誰もが
ささヤン on 雲が出てきた:
絶妙な雲の出番は お