和の心にて候 Top

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2008年11月19日
余所見しないで

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                                                                                            「兵ちゃんこんばんは。お久しぶりねぇ」
「磯千代姐さん、ご無沙汰でした」
「何処かへお出かけだったの」
「うん、旅でね。ちょっと宇宙まで…」
「まあ、素敵! どこの宇宙なの?」
「パチンコ屋もあるニャン」
「タマ、タマが出る所じゃないよ」
「姐さんひとつやって」


ioriten.gif南天の 赤い実ほどの小さな恋を 積る雪めが消しにくる(213)
「雪に南天、きれいな情景だね。名句にあるね『南天の赤い実ほどの恋をして』ってのが。雪めって誰かのこと?」
「さぁ誰かしらね。兵ちゃんは?」
「久しぶりにいってみようか、…ん」


ioriten.gif月の出潮の空はれにけり 寄せる白波淡き恋(214)
「旅情が出てるわ。いいわねぇー、やっぱり兵ちゃんいいわね」
「都々逸を唄うとなぜか気持ちが良くなるね」
「だって御国の最高芸能よ」
「この頃、俳句と一緒に注目されてきたようだね」
「もうひとつ」


ioriten.gif饒舌を 切って捨てるが俳句の良さで 切れぬ思いが唄になる(215)
「唄うのが都々逸ね」
「人間は唄うと身も心も空ゆく雲のようにフワフワするね」
「神代のころからそうしてるのね」
「天の岩戸を開いた、ストリッパーライブだね」
「アマノウズメノミコト(天鈿女命)ね」
「猿田彦を和ませたという神様ね」
「サルタヒコは俳優の神様とも道祖神の神様といわれているね」
「都々逸の神様かもね」
「どう、姐さんひとつ」
「そうね、この頃日本ブームになるっていうわね。アメリカさんがずっこけて自分の国の良さを見直すようになってきたようね。…ん」


ioriten.gifよそみしないで足元みれば 立ってる大地に花が咲く(216)
「禅語の脚下照顧(きゃっかしょうこ)だね」
「アタシゃ時々思うのよ。アタシも地球の上に立ってるって。そこから全てが始まるんじゃないかって。日本人は今こそ足元を見なきゃいけないのよ。日本人の良さをお勉強しなきゃだめなのよ。よそみなんてしなでね」
「姐さん哲学者に見えるね、皺があるけど」
「シワは余計よ!」
「俳句は究極の文芸だね。多分日本人にしか解らない極短詩だね」
「思いを切って捨ててるのね」
「饒舌を好まない民族だからね」
「アタシは饒舌でもいいんです、花代が多ければ…」
「姐さん、その儲ける気合いがいいね」
「ニャンだその顔で」
「バカタマ!!」


ioriten.gif色で身を売る西瓜でさえも 中にゃ苦労の種がある(217)
「古典だね。今じゃ何もかも種なしばかりだなぁ」
「人生、苦労の種があったほうがいいのにね。兵ちゃんの番よ」
「少子化になっちゃうか、…ん」


ioriten.gif辛い家業のお座敷だけど あなたの顔見りゃ夢ん中(218)
「兵ちゃん優しいのね、有難う。女は優しさに弱いのよ」
「男の方が弱いよ。直ぐ弱音を吐くからね」
「弱音っていえば、この頃のスポーツ選手なんか、『楽しんでプレーします』なんていうのよ。仕事や稼業は楽しくなんかないのよ。ただ一所懸命だけなのに…。弱音じゃないの」
「辛いからそう言うんじゃないかな、『ガンバルますと楽しんで』が今の日本のキャッチフレーズだからね、…ん」


ioriten.gif夕べ見た月 地球の裏で 見てるひとにも逢いにゆく(219)
「月が逢いにゆくのね。日本人の情緒っていいわね。こういうのをガイジンに教えてあげたいわね。戦争がなくなるかもよって!」
「姐さんの良さもその情緒だね」
「冗長だニャーン」
「またタマが出てきたね。今夜は許さないからね!」
「今日は日本のお勉強ニャン」
「姐さん久しぶりに送ろうか」

2008年11月29日
ふとした出会い

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「姐さん今夜は何となく楽しそうだね」
「そう見えるかしら、やっぱり!」
「何かいいことでもあったの」
「昨夜のお座敷で思わぬお人に会ったの」
「タマらニャイんー」
「タマはだまってなさい!」
「どんな人?」


ioriten.gif初回惚れしてワシャ恥かしい 胸の熱さに身を焦がす(213)
「遊郭言葉だな。そうなんだ、一目惚れか、尋常じゃないね」
「またお会いしたいと思っていた人なの」
「目が垂れてたニャーん」
「このタマめ!」


ioriten.gif誰でもあるがふとした出会い それが生きてく最大事(214)
「ふとした出会いね。邂逅(かいこう)ってやつね」
「私の芸を初めて認めてくれた方なの」
「へー、そんな人がいたの」
「磯千代の芸には艶があるっていってくれたの」
「眼が高いね」
「兵ちゃんと一緒よ。同じことをいってくれたの」


ioriten.gif誰でもが 自分の姿を見てくれるひと そんなお人に添寝する(215)
「そうだよな。自分を見てくれている人が一番だよな」
「いいも悪いも思いやりがあってのことだけど」
「その人姐さんの女振りに惚れたんじゃないの?」
「その時は、もう40過ぎてたのよ、どうかしら」
「女も40半ばからが勝負だね」
「賞味期限ってのはないの?」
「メロンは熟れてから価値がでるんだよ、…ん」


ioriten.gif色を重ねて齢を重ね 味が出てくる赤ワイン(216)
「今は紫が流行色。アタシゃ葡萄色のいい女かしら?」
「サッカクニャーん」
「タマ、姐さんに妬いてるね」


ioriten.gif妬いて今更いうんじゃないが 主がモテるがシャクの種(217)
「その人のモテるのが目に見えるようだね」
「人のいいところを見れるお人は皆そうね」
「普通はアラをさがして嫌味をいうからね」


ioriten.gif人の良し悪しどうすりゃ判る 葦(あし)も見方で葦(よし)になる(218)
「人の評価って危ういわね」
「自分の物差しだけで量るからね」
「物事がうまくいかなくなるエゴライフっていうのね」


ioriten.gifエゴでもの見りゃ何にも見えぬ おめめ塞いで善がり声(219)
「独りぼっちになる人のことね。哀しい人間の性ね」
「まあ、人の出会いの不思議さが人間を励まし生かすんだね」
「兵ちゃんは顔に似合わず、いいことをいうわね」
「自分はどうニャーん」
「タマ、アタシに妬いてどうするの?」
「姐さんいい月が出ているよ」
「月がとっても青いから遠回りして帰りましょ」
「タマ、妬けるニャーん」

 

 

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タマ on こぼれる:
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いつも微笑みながら読
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まみさん。都都逸も英
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≪ 雲の行方は誰もが
ささヤン on 雲が出てきた:
絶妙な雲の出番は お