和の心にて候 Top

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2008年10月04日
独りぼっち

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「兵ちゃん今晩は。朝晩寒くなったわね」
「お彼岸過ぎると一気だね」
「タマ、これからコタツが恋しくなるわね」
「うんニャー」
「今どうも、アメリカさんがピンチね」
「株の乱高下で不安が広がっているのが分かるね」
「血圧計みたいね。こんなのどう、…ん」


ioriten.gifカブはカブでもこの手のカブは 上がり下がりで身をやつす(171)
「姐さん株やってるの?」
「アタシゃ博打はやらないわ」
「世界中賭博師だらけだね。ウォール街なんて博徒の巣窟だね」
「兵ちゃんどう、ひとつ」
「そうだなぁ、アメリカの一極覇権もぼちぼち終わりだな」


ioriten.gifこれから世界は自国の良さを 探し案じて舵をきる(172)
「兵ちゃんて、すごく視野が広いのね」
「これから世界は大きく動き出すよ。日本の政界も政党再編成が起きるね」
「どうなるの?」
「自分の国の価値観からものごとを考えるようになるね」
「今までは違っていたの?」
「長いこと、アメリカの一方的な価値観に沿ってきたからね」
「そう、これからは日本のいいところが世界に認められるかしら」
「日本人自身が、気がつくと思うよ」
「うれしいわ、芸者が繁盛するのね」
「ウーン?」


ioriten.gifグローバリズムにカビ生えてきた 日本の動きがお手本に(173)
「兵ちゃん、今夜は色気がでないわね」
「まだ国を憂える気持ちがあるからね」
「もう還暦過ぎたら国のことは考えなくてもいいんじゃないの」
「そうはいかないよ、若い人たちに日本の良さの深いところを伝えなくっちゃな」
「今夜は地球規模の都々逸ね。こんなのは?」


ioriten.gif偽装世界に生きてるけれど 和みごころで空をみる(174)
「空はずっと繋がっているからね。隣を思いやる和ごころか…」
「皆独りぼっちなのよ、だから偽装するのよ」
「そうかも知れないなぁ。子どもたちのことや周りのことを考えたら、メラミンなんて入れられないな」
「お金を稼ぐことだけを目的にさせた大人は変質者ね」
「お金を稼ぎ過ぎると皆変質するからね」
「兵ちゃんはその点、良かったわね」
「ウーン、よし」


ioriten.gif大和ごころをかたちにすれば 隣のひとにご挨拶(175)
「ホントに大切なことは日常だわね」
「人間に学習能力があるっていうの、間違いかも知れないね」
「どうして?」
「今度は東大で水銀農薬米が出てきた。頭の下げ方の練習が足りないな」
「そうね、東大下げには美しさがないわね」


ioriten.gifこれが次代の手本になると 胸を張ってなぜいえぬ(176)
「何度もいうようだけれども、学校で教えるべきよ、下げ方!」
「特に責任を取るということをしない官僚にいいたいね」
「最後にアタシが一発!」


ioriten.gifナニも立てずに屁もこかず そんな男が増えてきた(177)
「男の所為ばかりじゃないけど…。こんな男に誰がした♪♪」
「兵ちゃん唄ってる場合じゃないわよ。国家の存亡の時よ」
「タマ、猫の世界もそうか?」
「タマはみんなと交歓するニャン」
「今夜もラブソプラノ発生か」
「兵ちゃん次のお座敷は柔らかくね」
「ボクは柔らかだよ」

2008年10月08日
戻し戻して

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「兵ちゃん今晩は。今夜もお座敷かけて頂きありがとう」
「磯千代姐さん今日は垂れものだね」
「嬉しいのよ、寒くなってくると袷の柔らかいのが着れるから」
「和服は何時から袷になるの?」
「この頃は寒さに因って色々よ」
「姐さん、一昨日ボクが世話になってた人が亡くなったんだ」
「まあ、ご愁傷さま、じゃ、兵ちゃんを慰めて…」


ioriten.gifひとの縁のはかなさみれば 空行くく雲に似るさだめ(178)
「人の縁ははかないなぁ。秋になるとまた身に沁みるね」
「生きてるもののさだめね。だから命を粗末にしないことね」
「子どもの頃の純な思いに戻りたいけど無理だなぁ」
「ウソおっしゃい、戻りたいと思ってないのに。こんなのは?」


ioriten.gif時計の針を戻してほしい 戻し戻してあの日まで(179)
「姐さん、これって元カレとのことじゃないの?」
「兵ちゃん鋭いわね。アタシだって過去の良かったことに浸りたいのよ」
「皆過去と繋がって生きてるんだな」
「何時もなつかしさとお話しながらね」
「でも、今どきの子どもは話をしないで、テレビとゲーム漬けなんだって」
「テレビの良い悪いところを大人が教えてやればいいのよ」
「大人はテレビを痴呆状態で見て、思考停止の分裂症に罹っているからな無理だね」
「そうね、顔を見てれば分かるわ」
「ボクはニュース以外に余り見ないので、分が悪いなぁ」
「こんなのどう?」


ioriten.gifテレビを見てなきゃ何故いけないの 野暮が多いい3時間(180)
「姐さん優しいね。毎日3時間ね…」
「何でも数がことを決める世の中でしょ。視聴率やスポンサーの意向で」
「公器でなくなってるからね。質の悪い週刊紙の動画版だね」
「やっぱりエゴとゴリ押しね」
「エゴっていえば、ペットの始末もできない人が多くなってきたね、…ん」


ioriten.gif家畜にするなよベットもやめて みんな自分のエゴだもの(181)
「人間が家畜やペットにされたらどう思うのかしら」
「何かしら都合のいい理由をつけるよ」
「偽装と同じだね」
「どう、こんなの」


ioriten.gif上手いことなど言っもダメよ それで食ってる人だもの(182)
「メラミン入り国家や毒入り会社の行く末は知れてるね」
「兵ちゃん今夜はいいお顔してるわ」
「世の奥さんたちは10年も経つと亭主の顔をほめないね」
「そんなのお互い様じゃないの。そうね、こんなかしら」


ioriten.gif自分の亭主の顔見てごらん こんな男の妻だとは(183)
「言い得て妙だなぁ」
「今夜の都々逸はまとまりがなくて、分裂気味ね」
「テレビやラジオと一緒で、喜怒哀楽が分刻みに襲ってくるのと同じだね」
「アタシはこの先、何を信じて生きて行けばいいのかしら、不安だわ」
「姐さんはまだツボミだからこれからひと花咲かせるだろ!」
「まあ、何て冷たいお方。タマがたまげてるわ」
「ン、ニャーン、お姐たま、お兄たま」
「たま?」
「じゃ、ひとつ、…ん」


ioriten.gif自分が信じりゃ真実だけど 人が知らなきゃ嘘になる(184)
「ノーベル賞は嬉しいけど、クオークが6個ってなんのこと」
「ようやく空海のいう『六次元の空(くう)』の世界があることが判ってきたんだよ」
「タマ、『6時限の食う』だって」
「もう10時だニャン」
「兵ちゃんもうすぐ寒露ね」

2008年10月13日
男と女の (英訳)

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「兵ちゃん、この前お座敷で都々逸ってなに?って聞かれたわ」
「若いひと?」
「50過ぎの方だわ」
「日本文化の粋がわからない世代だね。なんて説明したの」
「江戸時代に流行った流行歌って。そしたら聞いたことないっていうのよ」
「文句の七、七、七、五は日本人の呼吸に一番合っているものだといってやれば良かったのに」
「でもね、ドドイツの語源は?って聞かれたの。アタシ詳しく知らなかったから…。そしたらその方ドイツが始まりじゃないかって。アタシこの歳で恥ずかしくて涙が出たわ」
「姐さんまだツボミだから恥ずかしくてもいいんじゃない」
「兵ちゃんのバカ! 意地悪!」


ioriten.gif都々逸知りたきゃお座敷かけて 男と女の泣き笑い(185)
「どうだいこんなの」
「いいわね。生きてるのが嬉しくなるわ」
「1800年代に流行った名古屋節の合いの手の『どどいつどいどい』が語源だといわれているね。元は三味線と一緒に唄われる俗曲でね、男女の恋愛を題材にいたんで、情歌とも呼ばれてるよ」
「まあ、兵ちゃん学があること!」
「ボクはこの男女の想いの細やかなところが好きだね」
「こんな古いのどうかしら」


ioriten.gif来てはちらちら思わせぶりな 今日もとまらぬ秋の蝶(186)
「いいね。ボクも姐さんの分をひとつ、…ん」


ioriten.gifアタシゃ磯千代あなたは兵衛 好いて好かれて結ばれぬ(187)
「兵ちゃんやるわねぇ」
「その26文字の頭に5文字をかぶせ、31文字もあるし…」
「その中に謡や長唄、小唄の文句を入れてアンコ入りってのもあるわね」
「じゃ、31文字のを…」


ioriten.gifもういやよ イビキ歯ぎしり寝言に屁 すぐに迎えが来るといい(188)
「4点セットね。兵ちゃんのは濃密な生活臭があっていいわね」
「姐さんもうひとつ」
「古いのだけど、タマ聴いててね」
「ン、ニャー」


ioriten.gif庭の松虫音をとめてさえ もしや来たかと胸さわぎ(189)
「タマ! 胸を揉んでどうするの」
「いいーニャン」
「兵ちゃん、アンコ入りやって」
「子どもの頃覚えたのを…、確か前にやったと思うけど…」


ioriten.gifワタシゃ海岸荒波育ち 「貝の柱にカキの屋根 仇なアサリと添うよりも」
      やっぱり貴方のバカが良い
(190)
「色々な貝を唄ったものね。貝柱とアサリの部分がアンコね」
「日本人は粋だよなぁ」
「兵ちゃんタマが踊り出したわよ」
「タマ、いいメスだねぇ」
「ダマッテニャン」
「じゃ、もうひとつ」


ioriten.gifことば遊びの都々逸だけど お経聖書に勝る味(191)
「姐さん決まったね」
「兵ちゃんありがとう。今夜はいいお勉強したわ」
「姐さんもこれからだね」
「タマ、いつまで踊ってるの、もうお仕舞いよ」
「つれないニャン…」


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Relationship

"Hyou-chan, I was asked what 都々逸 (Dodoitsu) was when called."
"By young person?"
"No, over 50"
"Oh...That generation might not find 粋 (Iki) in Japanese culture. How did you explain?"
"It is a kind of popular poem enjoyed in the Edo period. But he had never heard..."
"If I were you, I'd tell him that phrase arranged seven-seven-seven-five pattern had got along perfectly with Japanese people."
"When I was asked about the origin of 都々逸 (Dodoitsu), but I couldn't find good answer because I didn't know details well.... Even so, he said it might have its roots in Germany, right? My face was burned with shame!"
"It’s OK because you are still cute like a button, isn't it?"
"No kidding! So mean, Hyou-can!"


ioriten.gifPlease call me if you can make 都々逸 (Dodoitsu), relationships of tears and laughter.

"What do you say?"
"Fantastic! It makes my life so happy."
"That word origin is 『どどいつどいどい (dodoitsu doi doi)』 in a tune, 名古屋節 (Nagoya bushi) made waves in 1800's. The roots are one of popular songs sung to 三味線 (shamisen) accompaniment, and main subject was love affair. So some had used 情歌 (Jouka) as another name."
"Wow, Hyou-can! Great knowledge."
"I love that sensitivity to a relationship."
"How is this old-style?"


ioriten.gifWinged comes close or gets away as if an autumn butterfly keeping a cautious distance.

“So nice! On behalf of you…”


ioriten.gifI’m Isochiyo. You are Hyoue. Our passion was spilled on skew places.

“Fabulous, Hyou-can!”
“As other pattern, we can make it with 31 syllables added 5 ones at the beginning.”
“Also I know a different pattern included a passage of traditional Japanese music, 謡(Utai), 長唄(Nagauta) or 小唄(Kouta). It’s called アンコ入り (Anko iri), right?”
“Well, with 31 syllables.”


ioriten.gifNo more noise. Snore, teeth grinding, sleep talking and gas. Hurry up a messenger from heaven.

“Four-piece set, isn’t it? I feel reality of life in yours.”
“It’s your turn, please.”
“Again…with old-style Tama, please listen carefully.”
“OK, meow…”


ioriten.gifQuiet, please! I said to crickets in a garden to feel alarmed for his coming.

“Tama, why do you knead your breast?”
“I’ll set the alarm, mew!”
“Hyou-chan, please make the next one with アンコ入り (Anko iri)”


ioriten.gifGrowing up at a beach and having a rough life, I prefer a surf clam to an opposing clam got a shell house made from scallops and oysters.

“There are several shellfishes. You put the part of scallops and an opposing clam as アンコ (Anko).”
“I feel Japanese 粋 (Iki) in a passage of traditional music. How about you?”
“Oh, look at Tama. Dancing…”
“Tama, you are good lady.”
“Quiet, please! Meow”
“One more…”


ioriten.gif都々逸 (Dodoitsu) is just a word game, but it sometimes has more meaningful than words of God’s.

“Wow, perfect! my dear”
“Thanks, Hyou-chan. I could learn good lesson tonight.”
“This is just the beginning.”
“Tama, stop dancing! That’s it for today.”
“Oh, God…mew.”
(訳 あさの まみ)                                      

                                                                                                   


2008年10月19日
お好きなようね

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「兵ちゃん、エリザベス女王が65億円も損したっていうんじゃないの」
「イギリスの女王は資産家で博打がお好きなようだね」
「王様たちも株の投機をするの」
「ああ、日本の天皇さん以外は世界中みんな博打ちだね」
「真面目に汗して働かないからバチが当たったのね。だけど有難いことね。天皇さんがこの金融危機で何兆も損したなんてことになったら恥ずかしいものね」
「世界に類例のない日本文化の深遠で優れたところだね」
「兵ちゃんは株やらないの」
「蕪は食べるの好きだけどね」


ioriten.gif片っぱしから博打のやから バチが当たるに働かぬ(192)
「どうして日本だけこうなってくれてるの」
「縄文時代の、…そうだなぁ、1万5千年前あたりからの蓄積だね」
「へー、今の日本が1万5千年の積み重ねっていうわけね」
「そうさ、世界に類例がないんだよ」
「そうすると、アタシも類例がないひとりね」
「姐さんは日本でも類がないね」
「それってホメてるの?」
「まあね」


ioriten.gif日本の国の優れたとこは 気候風土に神が棲む(193)
「天皇さんも日本人を代表する神さまね」
「すごい歴史と目には見えない神々しさを兼ね備えた存在だね」
「天皇さんみたいな存在は世界にないの?」
「ないね。ブッシュとかプーチンじゃ何とも追いつかないね。今度の金融危機の損失で分かるけど、エリザベス女王だって只の利殖家みたいなもんだね」
「天皇さんてお金がないの?」
「必要なお金は国が用意するけど、個人のお金や財産ってものはないんだね」
「へー、やっぱり神さまだわね。財布や貯金通帳がないんだ」
「天皇陛下って名刺も住所も投票権もないんだよ」
「そうしてる日本人って不思議な人たちね」


ioriten.gifわからないのよ日本のことは 変なガイジン雲つかむ(194)
「もうひとつ、…ん」


ioriten.gif日本のお人が判らぬことを 出稼ぎガイジンしたり顔(195)
「もうひとつ」


ioriten.gif説明されるとそうかと思う 外タレ男の得意顔(196)
「ついでにもうひとつ!」


ioriten.gif大和ことばを知らないひとは 大和ごころをしらぬひと(197)
「日本語でしか日本は理解できないね」
「兵ちゃん、じゃぁ、なんで日本人は日本の良さとか、素敵なところを知ろうとしないの」
「日本人だからだね。まるっぽ日本人だから、それを掘り下げて知る必要がないんだな」
「へー、そういうもんなのね」
「だって、日常に日本のことを考える必要がないんじゃないの」
「そうね、アタシゃ今夜の花代のことだけ考えるもの」
「姐さん現金」だね
「そう、兵ちゃん今夜も現金でお願いね」


ioriten.gif日本良いとこ一度はおいで 花咲く野山に湯のけむり(198)
「姐さん、温泉に行きたくなったね」
「兵ちゃんの足揉みって人間国宝なみだっていうんじゃないの」
「姐さん、天皇さんの話をしてるっていうのに、足揉みはないだろ」
「タマ、兵ちゃんに揉んでもらうといいよ」
「タマ、揉んでもらいたいニャン」
「ボクは踏むのが得意だよ」
「タマを踏むの?」
「姐さん今夜もいい月だね」

2008年10月22日
赤い糸が…

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「兵ちゃん、前に遠距離交際って流行ったわね」
「パソコンや携帯がなかったからね」
「昔、アタシは京都に彼氏がいたの、いつもホームでお別れがつらくて…」
「もう逢えないんではないかと、心配でだったんだ」
「そう、今にして思えば笑っちゃうけど、その時は命がけだったわ」
「恋は盲目っていうけど、なつかしいなぁ」
「あれから50年。思い出は風化しないから面白いものね」
「姐さん、いってみようか」
「今夜はアタシから、…ん」


ioriten.gif飛んでゆきますあなたの元へ 逢いたさ見たさで夢を見る(199)
「なんにも要らないと思ってた頃だね。それって何度目の遠交なの?」
「初めてよ! アタシってこう見えても身持ちが堅いのよ。兵ちゃんと違って」
「磯千代姐さんのことだ、何度目でもいいか」
「その頃は、何をしても嬉しくて、ただカレのことだけ思ってたわ」
「それじゃ、ボクから」


ioriten.gif何も言わぬが目を見りゃわかる 惚れた同士の思いやり(200)
「そうよ、そうなのよ…フフフフ」
「人間を70年もやってると笑いが不気味だな。それから?」
「アタシ、芸者のお母さんに厳しく育てられたから…」
「そこから先はお母さんに聞いてからにしてって、一応はいうんだ」
「そうよ、身持ちがかたいのよ」
「それじゃ…ん」


ioriten.gifボクの手をとりその気にさせて この先ダメよと惑わせる(201)
「恋には駆け引きってものがあるのよ」
「その頃から男を惑わしていたんだ」
「ある日二人はやっと結ばれたの。でも…」
「そして、バレたんだな。こんなのどう?」


ioriten.gifしっぽりと 濡れているのにあのアホ烏「ォカァー、ォカァー」と誰を呼ぶ(202)
「新婚さんなら、クスッだわね」
「中年のオジサンなら、ドキッだね」
「お母さんに所帯持ちはダメっていわれて…」
「妻子持ちか」
「お母さんの二の舞になるって」
「いいじゃないか、そこまでいけば」
「世の中の現実ってものが、熱くなっている時は分からないのよ」
「いいねぇ青春は」


ioriten.gif誰も知らないことだとしても 知っているのよお月さま(203)
「そしてカレのことが判ってきた…」
「そう、辛くて辛くて毎晩泣いてたわ。死にたいと思ってた」
「いいねぇ、そこまで思いつめるとは、姐さんも正常人間だね」
「人間不信になって、お酒飲んで、暴れまわったわ」
「そうか、その体格じゃ迫力満点だったね」
「失礼ね、その頃はスリムでタマみたいなメタボじゃなかったわ」
「しつれいニャンー」
「こんなだったかな、…ん」


ioriten.gifこんな筈ではなかった二人 色が褪めてる赤い糸(204)
「兵ちゃん、その通りよ」
「カレも辛かったんじゃないの」
「最後の東京駅でカレの好きな駅弁を持たせたの。カレってお弁当に涙を落して…」
「情景が目に浮かぶなぁ」
「なつかしいわ、今でも思いだすわ」
「どうして思いを切ったの?」
「お母さんのお馴染みさんが謡をやってたの。『人生愁いの花ざかり』だって。それから『つまらない』っていう感じ方があることを知ったの」
「へー、早熟だったんだね。…確かに思えば人生は愁いの連続だなぁ。…花ざかりねぇ。そしてつまらないって考えるのいいね。そこにお互いの救いがあるね」
「なぜか、そう思うようになってお別れしたの」
「いい思い出を残したね。こんなのは?」


ioriten.gifつまらないのよあなたといても 人生愁いの花ざかり(205)
「兵ちゃんってやっぱり粋だわ」
「野暮も粋もこの頃は同じじゃないかって思ってるけど」
「タマ、その赤い糸って何なの!」
「結ぶんだニャン」
「何匹と結ぶのよ」
「5、6匹ニャン」
「タマ、それって乱交じゃないの!」
「姐さんと同じニャン」
「タマ覚えておいで!」

2008年10月26日
ついでね

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「兵ちゃん今晩は。タマも相変わらずね」
「姐さん、今夜はグレーの着物で決めてきたね」
「すてきニャーン」
「タマもこの頃アタシの美しさが分かってきたようね」
「きものニャーン」
「このタマメタボめ!」
「姐さん、今夜は少し荒れてるね」


ioriten.gif少し今夜は酔いたい気分 独りぽっちが身にしみる(206)
「姐さんどうしたの?」
「せっかくのお座敷なのにごめんなさいね」
「いいんじゃないか、長い人生にはよくあることだ」
「優しい兵ちゃん。優しいついでに聞いてね」
「いいよ」
「この前ね、お友だちが遠くへ引っ越したの。…もう寂しくて」
「その歳じゃ新しい友だちは無理かな」
「もう無理ね。今は人間何のために生きているのかしらって…」
「こんなのは、…ん」


ioriten.gif生きている ためも意味などありゃしないのに あると思えと人はいう(207)
「兵ちゃん、人生に意味はないの?」
「ボクは若い時からそう思っている」
「じゃ、何で生きてるの?」
「そうだなぁ、生きてるついでかな」
「生きてるついで?」


ioriten.gif人間は 生まれて食べて死んでくだけで 何の不足があるものか(208)
「よく考えてみると、どうも人生はこれだけだね」
「兵ちゃん、生きているって意味があるし、無駄なことはないっていうわよ」
「姐さん、そしたら今、何のために生きてるかって悩むことはないね」
「そういえば、そうね。生きてるついででいいのかしら…」
「意味があると思ってるから、何かにぶつかると、人生に意味がなくなったと錯覚して自殺なんかをするんじゃないのかなぁ」
「人生に意味がなくてもいいの?」
「もともとないんじゃないのかな。あるように教えられてるけど」
「だって、家族がいるひともあるわよ。拉致被害者の家族なんてどうするの」
「その人に関わる人にはあるけど…。人間そのものの人生には意味はないと思うね」
「そう? アタシからひとつ、…ん」


ioriten.gif生まれ恋して嬉しさ辛さ 意味がないよな歳になり(209)
「歳じゃないんだよなぁ。人生の実相のような気がするよ」
「兵ちゃんはどうしてそんなに平気でいられるの。それってやっぱり消極的な生き方じゃないの?」
「ボクの喜怒哀楽は激しいよ。ただ、それも生きてるついでに、と思うんだ」
「お勤めしている方なんか、会社がなくなったら、それもついでっていってられるの?」
「それは重大な生活の危機だね。だけど、人生の危機じゃないね。生活の危機と人生の危機が一緒だと思うと、もう先がないって思うようになるんだ。ここをよく考えてみる必要があるね」
「じゃどうするの?」


ioriten.gif何が起きても不思議じゃないが 生きてるついでで楽になる(210)
「兵ちゃん解ったわ、それを、その状況をそのまま受け入れるのね」
「そうだと思うよ。今を生きるんだ。そこからまた生きられる」
「お友だちがいなくなるのも、生きてるついでに起きること…」


ioriten.gif人生に意味がないのが倖なのよ 食べてはたらき寝て起きる(211)
「兵ちゃん、だんだん元気がでてきたわ!」
「姐さんツボミに戻ってきたね」
「もうひとつ」


ioriten.gifあなたついでに生きてるけれど ツボミもついでに咲かせたら(212)
「遠慮しておこうかな。だけどいいね、そのまだ咲こうっていう錯覚は」
「いいわねぇ兵ちゃん、人生って素敵だわね」
「タマも笑ってるよ…あれ」
「タマ、突然何を持って踊りだすのよ!」
「二人をお清めニャン、ついでニャーン」
「二人のどこをついでに清めるんだ?」
「ばかタマ! 何を錯覚してるの!」
「磯千代姐さん、新月も近いから送ろうか」

 

 

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タマ on こぼれる:
投稿ありがとニャー
ささヤン on こぼれる:
つがいのよさと、ひと
タマ on 白いえり (英訳):
コメントありがとニャ
みりんちゃん on 白いえり (英訳):
いつも微笑みながら読
みりんちゃん on ごっこネ (英訳):
まみさん。都都逸も英
ささヤン on 白いえり (英訳):
お久しぶりです。
タマ on ついでね:
みりんちゃん、ありが
みりんちゃん on ついでね:
きもの姿のふっくらタ
兵衛 on 雲が出てきた:
≪ 雲の行方は誰もが
ささヤン on 雲が出てきた:
絶妙な雲の出番は お